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【漫画感想】「ハクメイとミコチ」 4巻

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ハクメイとミコチ 4巻
ハクメイとミコチ 4巻 / 樫木 祐人

森に夜が訪れる。それは静かで、密やかなひと時。森で暮らすふたりの小人、ハクメイとミコチ。昼間は仕事や遊びで過ごして、その後は……?ゆっくり、静かに、少しだけ切なく流れる夜の時間。その時にしか見えないものもあるのです。夜汽車、月夜の晩酌、夜更けの珈琲、お祭り前夜など、“夜の愉しみ”が描かれたエピソードを多数収録した、第4巻!

Amazon 内容紹介より

ここ最近では、一番発売されるのを楽しみに待っていた漫画と言えるかもしれません。「ハクメイとミコチ」の4巻です。登場する小人がカワイイ!と言うだけならば、これ程は惹かれないと思います。カワイイ小人たちの日々しっかりと工夫を凝らしながらも楽しく[1]決して「楽」ではなく生活している情景が、丁寧に細かく描写されているところが堪らないのですよ。

この4巻では、不作だった木苺を買い占める小人の八百屋がいて、その八百屋相手にしっかりと交渉をまとめるミコチがいて、そのミコチのマイペースなお姉ちゃんが訪ねてきたり、最近忙しかったからと肩が凝ってしまうハクメイが、ミコチとお姉ちゃんとの時間を気遣ってみたり、そんなハクメイとミコチが普段一緒に生活していてもあえて一緒にお酒を飲まない夜を作ってみたり、一緒にお風呂に入ってみたり…。

どの小人も、とても人間らしい、と言えばそれまでなのですが、なかなか漫画でしっかりとそういった現実的な生活感を描いてくれることも多くはないので[2]それが小人ではなく、人間の登場する漫画だとしても、生活がしっかりと感じられる漫画が好物の私としては嬉しくなってしまいます。例えば、喫茶店兼飲み屋でコーヒーを飲む時にはコーヒー豆1粒を万力みたいな道具と小槌で砕いて淹れていて、このシーンなどは特に身長9cmしかない小人の生活の現実を感じさせてくれていると思うのです。

これだけカワイイ小人たちであれば、そんな小人たちを集めて単にキャッキャウフフさせているだけのお気楽漫画だったとしても、そこそこ楽しめるのだとは思いますが、この「ハクメイとミコチ」に登場する小人たち[3]小動物や昆虫も含むには、3巻で登場したようにスリがいたり、諍いがあったり、お互いに不満を抱えている部分があって、更にそれをちゃんと意思表示したりしています。そういった描写があることで、たくさんの小人たちが寄り添ってしっかりと生きている、という世界観が築かれているのだと思いますね。

更に、この世界の小人たちは人間よりもよほど賢いらしく、それぞれの不満を上手に収める術や日々の生活を味わうコツを理解して実践出来ているようです。満員電車で汲々としている国の人間とかは見習った方が良いような気がしますよ、本当に。

さて4巻では新たに蒸気機関車が登場して[4]しかも夜行列車!、ハクメイとミコチの生活する世界の拡がりも感じさせてくれています。5巻ではどんな世界を見せてくれるのか、今からとても楽しみです。ところで、どうぶつの森のハクメイとミコチ版みたいなゲームがあったらハマりまくりそうなので、誰かどうかお願いします。フィギュア化とかもされると買いそうですのでよろしくお願いします。

References

References
1 決して「楽」ではなく
2 それが小人ではなく、人間の登場する漫画だとしても
3 小動物や昆虫も含む
4 しかも夜行列車!

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