【読書感想】「ハトはなぜ首を振って歩くのか」

岩波科学ライブラリー ハトはなぜ首を振って歩くのか

気がつけばハトはいつでもどこでも、首を振って歩いている。あの動きは何なのか。なぜ、一歩に一回なのか。なぜ、ハトは振るのにカモは振らないのか……?冗談のようで奥が深い首振りの謎に徹底的に迫る、世界初の首振り本。おなじみの鳥たちのほか、同じ二足歩行の恐竜やヒトまで登場させながら、生きものたちの動きの妙を心ゆくまで味わう。

Amazon内容紹介より

軽めの本でのリハビリが続きます。前回と同じく岩波科学ライブラリーです。薄いし読み易いしテーマが興味深いので活字が読めない病からのリハビリに最適ですね。ただし、前回の「うれし、たのし、ウミウシ」が軽めの科学エッセイだったのとは違い、本書はしっかりと「なぜ~」というところの解答を示しつつ、更に湧き出る疑問の提示や、その疑問に対する現在の考えも書かれており、文量以上の読み応えがありました。

さて、本書のタイトルは「ハトはなぜ首を振って歩くのか」ですが、大抵の方が「そういえば…」と感じる疑問ではないでしょうか。現代の日本でハトは、カラス・スズメなどと並んで目に付きやすい鳥だと思いますが、他の鳥以上に人が距離を詰めやすい鳥とも言えるでしょう。しかし、それほどよく目にするハトに関することですら、疑問を提示されるまで不思議さを感じることがないのだという事実。もしくは少し疑問に思ったとしてもそれを調べようとしないことの多さ、そんなことを思い知らされた気がします。

もちろん、ここではその「なぜ」の本書による解答を示すことはしませんが、特に生物学の素養のない自分が読んでも「なるほど」と思える、また理解に困難を感じずに済むような説明でした。専門用語と言えるような言葉はほとんど使われることがなく、また読者に鳥の行動*1について思い起こさせるような事例を交えつつ、ユーモアがある語り口で飽きさせません。ページ端にハトの首を振って歩く写真がパラパラ漫画のように載せられているのも可愛くて面白い工夫だったと思います。

ちなみに岩波科学ライブラリーの本ではYoutubeの岩波書店チャンネルに関連動画をアップロードしていることがあるのですが、本書でもいくつかアップロードされていたので、一番下に貼り付けておきます。個人的にはこのように動画もアップロードする、というのはとても大切で素晴らしい取り組みだと思うのですが、最近の動画にしては少し画質が…と思わなくもないです。とは言え、ハトという相当身近で環境によっては毎日見る鳥ですら動画を観ないと説明される部分について思い出せないことも少なくないですから、このように文章だけでなく動画も用意してくれるのは嬉しいですね。

ここで本書に書かれていることを確認するために公園まで観察に行こう、となったら自分ももう少しレベルアップできるのかもしれませんが、今回は本を読み動画を観て満足してしまいました。ただ、もう少し涼しくなり、Pokémon GO熱も収まったころになったら近所の公園でハトを観察するのもありかもしれませんね。ポケモンを追って公園を巡る機会が多い方などは、本書を読んでポケモンゲットの傍らでハトの観察するのもよろしいかもしれませんよ。

そんな訳で、文量は多くなかったもののとても充実した読書体験ができる本でした。中学生や読書に慣れている小学生ならば読める内容だと思うので、身近な不思議を見付けることを感じてもらうためにオススメしたい本ですね。漫然と見る、ということと観察する、ということの違いがよくわかりますし、観察することの大切さが感じられると思います。毎日をただ漫然と見て生きている自分を反省しつつ、明日の朝は駅のハトを観察してみたいと思います。


藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか』関連動画(1/6)

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*1:特に歩行

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