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【漫画感想】「シオリエクスペリエンス」 7巻

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シオリエクスペリエンス 7巻
シオリエクスペリエンス 7巻 / 長田 悠幸, 町田 一八

伝説は“魂の叫び(ブルース)”とともに加速する──。伝説を目の当たりにした紫織は、悩み、苦しむ…。世界が望むであろう至高のサウンドに賛同するのか。同じアーティストとして己のエゴを貫くのか。命懸けの決断、迫る──。

Amazon内容紹介より

カタルシスをまだかまだかと待ちながらも、その積み上げては崩しているように見える、ジリジリとした音楽を作り上げる過程に引き込まれまくる「シオリエクスペリエンス」の7巻です。表紙は6巻での背面奏法から一転して、ひたすらに熱をこめている雰囲気が出ているギター・プレイでしたね。本田先生、1巻表紙のようなオドオドした雰囲気が同一人物とは思えないような鬼気迫る姿でカッコ良いです。本田先生はメガネでリクルート・スーツなのがとても良いと思います。素晴らしいです。

さて、7巻はとにかく引きが物凄いです。早く!早く8巻を!!ど、どっち…どちらの結論になるのでしょうか。気になりまくります。気になりすぎて掲載誌を読みたくなってしまいますが、我慢です。7巻の最終話であるExp.32「one for all」はここまでシオリエクスペリエンスを読み続けてきた方であれば、確実に心を動かされるに違いないお話になっています。この先の展開はまだ見えませんけれども、ここにきてシオリエクスペリエンスは音楽漫画という枠を飛び越えて、魂を揺さぶられること間違いなしな漫画になってきているように思いますよ[1]なので、時々読んでいてツラくなる時もあります

ちなみに高校生バンドメンバーの一員で、ベースのプリンス君のお母さんがExp.32話の冒頭に初登場しますけれども、なかなかに息苦しい展開が続く中での良い息抜きキャラクターになっていました。プリンス君自体も不思議な言動をしているキャラクターではありますけれども、このお母さんだったら納得です。ここまできたらお父さんも見てみたいですね。楽しそうで幸せそうな家庭環境ではありますけれども、絶対に馴染めなそうなテンションでした。ビジュアルからしておかしいですけれども、「おかえリンゴ・スター」って!プリンス君親子は暑苦しさ満点で好きなキャラクターになりましたね。

ところで6巻の感想でも書いていた、音楽業界のマフィアのボスみたいな人が作ろうとしているらしいことが6巻にして判明したバンド「The 27 Club」についてですが、7巻になってジミヘンとカート・コバーン以外に3人の名前が挙げられましたね。ジャニス・ジョプリンジム・モリソンブライアン・ジョーンズの3人です。6巻ではジミヘンとカート・コバーン以外に5人のシルエットが見えていたと思うのですが、7巻のステージシーン[2]想像でのではジミヘンとカート・コバーンを含めて6人になっていますので、最終的に何人になるのかよくわかりません。7巻の雰囲気だと、今回名前が挙がった3人にしても、どういった形での登場かよくわかりませんしね。6巻までは、カート・コバーンと同様に一人ずつ現れてくる、という展開を予想していたのですが、7巻での様子からすると、そういった展開ではないのかもしれないな…と思い始めました。どちらにせよ「The 27 Club」の今後が楽しみなことに違いはありませんけれども。個人的にはきっと登場するであろうと6巻の感想で挙げていた3人が登場してくれたのは嬉しかったですね。まあ「The 27 Club」といったら、その3人は外せない訳ですが…。

また、そもそもの漫画の前提にある「27歳が終わるまでに音楽で伝説を残さなければ死ぬ」という呪いについては「伝説」というのがどういう定義のものなのかよくわからないので、どうなるのかな、と当初から思っていたのですが、本物の伝説であるジミヘンとカート・コバーンの2人[3]この2人を「伝説」と呼ぶことは音楽の好みと関係なく一般的に納得されるものだと思いますと並ぶような「伝説」となると相当にハードルが高いですよね。高校生バンドの一員として本田先生がどういう「伝説」を築いていくのか、それをどう納得感のあるものとして描いてくれるのか、とても楽しみになりました。さすがに本田先生が死んでしまうバッドエンドは描かれないと思いますので[4]それはそれで斬新ではありますけれども

そんな訳で「シオリエクスペリエンス」7巻は、その音楽を高め合っていく苦しみと、少しずつ形になっていくバンド、そしてこれ以上はないのでは、と思うような物凄い引きに打ちのめされました。何度も書いてしまいますが、8巻が本当に楽しみです。「シオリエクスペリエンス」、バンド音楽が好きな方にはぜひオススメしたい漫画ですよ。

References

References
1 なので、時々読んでいてツラくなる時もあります
2 想像での
3 この2人を「伝説」と呼ぶことは音楽の好みと関係なく一般的に納得されるものだと思います
4 それはそれで斬新ではありますけれども

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