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【漫画感想】「東京カラス」 10巻(完結)

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【漫画感想】「東京カラス」 10巻(完結)
東京カラス 10巻 / 宮下 裕樹

東京の運命はいかに!怒濤の最終巻ここに。特殊能力は何も持たない女子高生・大島田満子率いる代々木第四高校・都市伝説研究会。大看板・大島田家を巡る勢力争いが、日本の陰陽界を東西に分ける大抗争に発展。そして、その結果…東のクリスティーヌ春子が大島田の跡目を継ぐことに。更に、クリスの母・ブリトニーが、クリスと入れ替わるという荒技を繰り出し、一気に権力を握る。ブリトニーの計らいで東京を襲撃する、最凶首無し男。大島田満子、最後で最大の戦いが始まった!!

Amazon内容紹介より

「リュウマのガゴウ」に引き続き「東京カラス」も完結してしまいました。好きな漫画が終わってしまう時というのは、いつになっても、どんな終わり方だとしても寂しいものがありますね。個人的には東京カラスはずっと都市伝説研究会のドタバタ劇を見ていたいな、と思わせてくれる漫画でした。9巻の感想で「非日常なことの起こりまくる日常系の漫画として長く続いてくれば…」と書いていますが、9巻から始まった東京カラスにしては規模の大きなお話の終わりが漫画の終わりになってしまいました。

さて「東京カラス」10巻、完結巻です。9巻で急激にお話のサイズが大きくなり、大島田家の問題が激化したと思ったら、それがラストバトルとなりました。ラストバトルも影響の規模と緊迫感の割には間の抜けた雰囲気の漂う、都市伝説研究会らしい、東京カラスらしいラストバトルでしたね。何だかんだで決定的な瞬間は描かれていないのも、また「らしい」ところかと思います。決着のつけ方には驚かされましたが…。ブリトニーの得たポジションって多くの創作物で悪役が望むところで、結局はたどり着けずに打倒されてしまうところだと思うのですが、各種問題の解決策としてそんなボスキャラすらも「慈悲と慈愛」で取り込み、利用してしまうところに満子さんと東京カラスという漫画の懐の深さを感じてしまいました。

またラストバトルの際、過去に都市伝説研究会が解決してきた都市伝説の怪人たちが満子さんに協力するシーンがありましたが、最初は「単行本第○集 ○○の刻参照」という注が怪人たちに付いていたのですが、そのうち増殖する「未掲載」の怪人たちには笑ってしまいました。こういうところ、好きなんですよねえ…。
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それにしても「柴犬フォルムの滝川君が可愛くて好きだったので、いつかは戻って欲しい」とも以前の感想で書きましたが、ラストバトルの後に戻るとは…。ラストバトルの際にはどちらが上でどちらが下なのか、よくわからない活躍も見せてくれていましたね。そしてラストバトルが終わっても、結局人間フォルムには戻れないイケメン滝川君…彼がこの漫画の中で一番不幸だったのでは、とか思います。滝川君自身は、何だか楽しそうなのが救いではありますが。

ところで、これは「リュウマのガゴウ」が完結した時にも思ったことではありますが、「東京カラス」はもっと売れて欲しい漫画でしたね。原案とキャラクターデザインはコザキユースケ氏とクレジットされているのも納得という感じで、キャラクターの魅力はかなりのものがありましたし、「リュウマのガゴウ」と違ってお話自体がわかりにくい、という種類の漫画でもなかったので、もっと読まれても良いのになあ、と思っていました。ただ、誰かに宮下裕樹氏の漫画をオススメするとなったら「リュウマのガゴウ」でも「東京カラス」でもなく、やはり「正義警官 モンジュ」を推すだろうとも思いますので、ジャンル的に万人受けしにくいのでしょうかね。うーん、難しい…。

そんな訳で「東京カラス」はメインストーリーが進もうが停滞していようが面白いからOKと思える、疾走感溢れるドタバタが堪らない漫画でした。もっともっと日常回で続けて欲しかったので残念ではありますが、いつでも再開出来る漫画でもあるとは思うので、いつか戻ってきてくれることを祈りつつ「決闘裁判」の単行本化を待ちたいと思います。

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