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【漫画感想】「レディ&オールドマン」 3巻

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【漫画感想】「レディ&オールドマン」 3巻
レディ&オールドマン 3巻 / オノ・ナツメ

知りたがりで度胸満点の娘・シェリーと、100年の刑を終えて出所した“不老不死”の男・ロブ。二人は、“レディ&オールドマン”の通り名で「運び屋」の仕事をしながら、ロブの体の謎を知る双子の弟を捜し始める。風変わりな男ナットとの共同生活、“レディ”の正体に興味津々な便利屋、ロブを追う警察の影、そして二人を襲う危険──。

Amazon内容紹介より

1,2巻の表紙は主人公であるレディ&オールドマンのシェリーとロブ、2人でのショットでしたが、3巻にはここにナットが加わりました。お話でのナットの重要度の高さが伺えます。ナットの「静かすぎないかい?」のコマは本当にカッコ良かったですね。1,2巻の感想でも何回か書いていますけれども、渋い映画の1シーンみたいです。映画好きの人はきっと好きになる漫画だと思いますね。

さて「レディ&オールドマン」3巻です。「レディ&オールドマン」のお話は1963年の出来事ということですが、3巻ではレコード店の女性がザ・ビートルズを知りませんでした。64年になればアメリカでも爆発的な大人気となっていたはずなので、このお話は63年も真ん中頃なのかもしれませんね。ナットの持つレコードジャケットは『プリーズ・プリーズ・ミー』の物でしたので、少なくとも夏以降のことなのでしょう。このアルバムをナットは少なくとも3周連続で聴いていますが、ナットがどこまでビートルズのことを知っていたのか、気になるところです。プリーズ・プリーズ・ミーは1stアルバムですから、そのことを知っていれば、本来は「ビートルズのレコードを探してきて」と言うことはないはずなのですよね。知っていて、あえてシェリーとロブの時間を潰させるために探させた、と考えるのが自然でしょう。頭の切れるナットがこれからどう2人に関わっていくのか、楽しみです。

また3巻では衝撃的なラストが待っていました。もちろん、設定的にいつかは訪れるシーンであることは想定されていましたが、思ったよりも早かったですね。物語の序盤がここで終わるシーンでしょうか。一気にお話が展開していきそうな予感がしますね。先日、完結巻の発売された「白暮のクロニクル」のオキナガと呼ばれる半不老不死の人たちの傷の痛みや生の切なさ、みたいなところをつい比較しながら読んでしまいそうになります。行動の自由度はロブの方が高そうですが、謎の解明度合いと数の多さはオキナガに軍配が上がりそうですね。この衝撃的な3巻でのラストシーンの後がどうなるのか、4巻が早くも待ちきれません。

それにしても「レディ&オールドマン」に出てくる人物は今のところ敵役と思えるキャラクターも含めて[1]むしろ敵役の方が、とてもカッコ良いですね。今回は白黒スーツ・コンビのよく喋る白い方が悪者なりのルールを見せてくれました。よく見るタイプのルールではありますけれども、やはりそれでもカッコ良いです。黒い方は常に寡黙で立っているだけでカッコ良いですしね。シェリーの父親や、ロブを追う刑事など、登場するキャラクターがいちいちカッコ良くて参ります。ミッチのような少しお人好しに見えるキャラクターも好きなので、もっと登場して欲しいな、とか贅沢にも思ってしまいますね。

ところで3巻ではロブが食べる甘い食べ物は特に登場しませんでしたね。あえて挙げるとすれば「カウボーイ」という名前のカクテルでしょうか。バーボンを牛乳で割ったカクテルとのことみたいですので、あまり甘くはなさそうですけれども[2]漫画の中では「ウィスキーとカカオクリームをたっぷりのクリームで」とレシピに書かれていたので、やはり甘いのかもしれません、飲んだことがないのでよくわかりません。きっとカルーアミルクみたいな感じなのでしょうね。…やっぱり甘いかもしれません。ちなみにカクテルで使う細長いグラスのことをChimneyと呼ぶことを始めて知りました。勉強になるなあ。

そんな訳で「レディ&オールドマン」3巻は相変わらず、カッコ良い映画を観ているかの気分に浸れる漫画でした。雰囲気で読めるので気軽にも読めますし、サスペンス部分をしっかりと読むこともできそうなので、今後の展開も楽しみです。

References

References
1 むしろ敵役の方が
2 漫画の中では「ウィスキーとカカオクリームをたっぷりのクリームで」とレシピに書かれていたので、やはり甘いのかもしれません

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