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【漫画感想】「任侠転生-異世界のヤクザ姫-」 4巻

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任侠転生-異世界のヤクザ姫- 4巻 / 宮下裕樹(著), 夏原武(原案)
任侠転生-異世界のヤクザ姫- 4巻 / 宮下裕樹(著), 夏原武(原案)

異世界本格ヤクザファンタジー!ダニエミでひと悶着起こしたリューは、追っ手から逃れるために秘密結社・ドゥニアを目指す。その道中、卑劣な海賊達に捕らえられていた人魚に出会ったリュー達だったが…!?

Amazon内容紹介より

『任侠転生-異世界のヤクザ姫-』4巻の初版は2021年2月。タイトルの通り、任侠の世界に生きていた男性が異世界の美少女のお姫様に転生するという、いわゆる転生モノ。主人公『龍松』さんが転生した『リュー姫』の和装して刀を振りかぶっているのが、とても凛々しくてカッコいい表紙の4巻です。ただ4巻にしてまだまともに刀はふっていません[1]4巻では一応一度使っていますが…。基本的に頼れるのは『リュー姫』の拳のみ…。

さて『任侠転生-異世界のヤクザ姫-』4巻です。3巻で登場しなかった『ジョバンニ』さんが、いなくなっていた『ダニエミの商王』をどこからか連れてくるところから4巻が始まります。『ジョバンニ』さん、『商王』のどちらも比較的滑稽な姿として描かれていますが、少なくとも『ジョバンニ』さんはやはりかなり優秀そうです。自身も指名手配されていて、特にツテがある訳でもない街で不在となっていた統治者を探し出して、説得・納得させ連れ出してくるとか、能力が高くなければ不可能ですよね。もちろん、その能力というのはもしかしたら「おべっか」的なものなのかもしれませんが、高レベルの能力であることは間違いありません。また『ダニエミ』の街を船で脱出した後の魚釣りに従事する『ジョバンニ』さんの活躍も見逃せません。「釣りの極意は辛抱ですぞ。下手に出ておべっかを使い、機嫌を伺い、押しすぎず、引きすぎず、そしてここぞというタイミングで、手のひらを返す!!これですぞ!!」と大量の魚を釣りながら今まであまり見せてこなかったイケオジフェイスを晒して力説してくれています。単純にカッコいい。テノヒラクルクルクルー。そして更に重要なのは『ニュイ』さんの漂流する船の中での飲料水確保能力。いくら戦闘能力が高くても水と食料がなければ、さすがの『リュー姫』といえど何にもできなかったでしょうから、この貢献度は相当なものです。実際に『ニュイ』さんの飲料水生成時の鬼気迫る顔は凄かったですし、その疲労の蓄積も大きそうでした。完全に従者的なポジションですけれども『ジョバンニ』さんと『ニュイ』さんには引き続き活躍して欲しいです。

また、その漂流した船上では再び新たな魔族さんと対峙することになりましたが、登場シーンとそのビジュアルのカッコ良さの反してあっという間の退場に驚きました。その戦闘が行われた船のそもそもの持ち主であった海賊『シャークネイド』さんと同じく瞬殺です[2]どちらも殺してはいないようですが…。固有名詞が付いた海賊『シャークネイド』さんが戦闘シーンさえなく海洋投棄されたのもなかなかですけれども、魔族でも雑魚扱い…。確かにこうやって戦闘を圧縮することで、あまりパワーインフレをさせずに新たな敵役を投入しやすくなるのかもしれませんが、もう少し敵役も大事にして欲しいなあ、とか思ってしまうのも事実です。そして『ジョバンニ』さんの魔族に対する恐怖と、見開きで登場した『シャークネイド』さんの活躍に少し期待した気持ちも返して。結局『シャークネイド』さんは船の運搬係でしかありませんでしたし、新登場の魔族さんは人魚さんのお気持ち変換装置でしかありませんでした。ちょっと残念です。これだと4巻ラストに登場した角付き腹筋バキバキイケメンさん[3]名前まだなしも期待薄です。もう本当に魔王様までは『リュー姫』に対抗できる相手が存在しないのでは、とか思ってしまいますね。

ところで3巻でも登場しなかった任侠用語的な言葉は4巻でも引き続き登場しませんでした。寂しい。4巻においては特に任侠仕草のようなものも登場しなかったので、この巻を単体で読んでも言葉遣いと素行の荒い女性=『リュー姫』が無双する異世界冒険譚でしかなくなってしまっていました。『シマ』などは厳密に言えば任侠用語に分類されるのでしょうけれども、正直『シマ』であれば一般的に理解される範疇の言葉になっているので微妙なところです。やはり漫画のタイトルが『任侠転生』ですから、主人公の背景だけに頼ることなく、しっかりと任侠成分をにじみ出させて欲しいところです。もちろん、そもそも任侠モノがそれほど得意ではない自分が、そのにじみ出してきた任侠成分を好きになるかは別の問題ではありますが…。

そんな訳で『任侠転生-異世界のヤクザ姫-』4巻は今のところまだまだ無双状態の『リュー姫』の異世界紀行といったところです。個人的には『ジョバンニ』さんと『ニュイ』さんの活躍に期待したいところ。また4巻後半に登場したドワーフの幼女[4]に見える『エヴァ・エッダ』さんは、4巻に登場した方々よりも強そうな雰囲気があるので楽しみです。

References

References
1 4巻では一応一度使っていますが…
2 どちらも殺してはいないようですが…
3 名前まだなし
4 に見える

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