苦学生・有馬ユウキが不運続きの中なけなしの金で買ったジャンク品のゲームから召喚されちゃった超魔導士・メイジさん。メイジさんが現われた瞬間からユウキの周りの世界も変わり始める!?「放課後!ダンジョン高校」の著者が贈る日常冒険譚!
Amazon 内容紹介より
『放課後!ダンジョン高校』の作者『山西正則』氏の作品ですね。『放課後!ダンジョン高校』と同じく、RPGゲームの世界観を持った漫画です。『山西正則』氏の他の漫画と同様に表紙絵になる女の子はわりと露出度高めで魅力的なビジュアルです。ただし、LV.99の魔道士なのにその装備なの?とか思ってしまいました[1]LV.99なら何も装備しないでOK、というお話もありそうですが…。
さて主人公の男子大学生『有馬ユウキ』君の苦学生っぷりがなかなか大変です。そして起こる不幸のアレコレ…。過去の出来事が原因で心が病んでいる部分がなくはないですけれども、全体としてはそれも乗り越えつつある真面目で健気な好青年です。むしろ人生の前半戦で不幸盛々なのに、かなり真っ直ぐに成長していることに驚きすら感じてしまいます。個人的にはかなり好感度が高いですね。
対してタイトルにもなっているLV.99の王宮魔道士である『メイジ』さん[2]本当の名前自体は王様しか呼べない、という理由で教えてくれませんは悪者ではないのは間違いないものの、傍若無人っぷりが目に付きます。ただそんなところも魅力的に描かれているので、意外と可愛らしいキャラクターになっています。また『メイジ』さんに続いて主人公のいる世界に乱入してくる修行僧『モンク』さん[3]『メイジ』さんと同様に本名は教えてくれませんは『メイジ』さんにはない従順さを感じさせてくれるような、これはこれで別系統の可愛らしさを感じられるキャラクターでした。名前を教えてくれない設定もRPGゲームのプレイヤーしか名前を決めることができないというよくあるゲームシステムからくる話で、そういった世界観もまとまっていたかな、と思います。
ただ、主人公たちに比べて敵役キャラクターたちはあまり魅力的なキャラクターがいなかったのが残念な印象でした[4]主人公の仲間キャラクター3人目の宣教師『ミッショネル』さんもオッサンすぎてイマイチでしたが…。この辺りのキャラクターにもパワーがあったらもう少し違った展開があったのかも、とか思ってしまいますね。ちなみに敵役キャラクターのボスである『金獅子』さんですが「魔法が効かない」という能力を自分自身で知らなかったり、ある特殊能力は効いてしまったり、自分のプレーしていたゲームでこの終わり方をしてしまったら、結構萎えてしまいそうです。しかも魔道士のLV.99まで上げてるし。もちろん、その辺は突如お話を畳まなければいけない状態だったから登場した設定だったからかもしれませんけれどもね。
そんな訳で端々に魅力的な部分がありつつも消化不良感が否めない漫画でした。もう少し続く設定だったところを全2巻に収めたから、という部分も少なからずありそうなので、もったいなかったなあ、という印象。『放課後!ダンジョン高校』に比べるとお話がそれほど重くなかったので、読みやすかったのは間違いないです。『山西正則』氏の漫画はやはり女性キャラクターがとても魅力的だ、ということが改めて感じられた漫画になりました。
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