「羊殺し」の犯人に迫る!極上ミステリー!「羊殺し」…憎き犯人は、お前だったのか――!!!!?「羊殺し」――12年に一度のひつじ年に必ず起きる、若き女性を狙った殺人事件。88歳の少年…吸血鬼(オキナガ)の雪村 魁が追い続ける“想い人”の仇――衝撃の真犯人が今、浮かび上がる!!!!
Amazon 内容紹介より
何となくですけれども、お話の山場が来ているのは間違いないと思います。今まで以上に続きがとても気になります。何よりも8巻冒頭の相当ショッキングなシーン[1]戦争の時とは逆の腕でしたね…がなぜ起きているのか、というところまで8巻のうちにたどり着いていませんし、間違いなくお話の重要人物なのに8巻の最後に登場したために、基礎情報がまったくない状態で終わってしまった雪村君の兄を自称する人物がいたり…正直、9巻が出てから読めば良かったかな、と思ってしまうほどに続きが気になります。この引きの描き方が下手だと、不快感が残るのでしょうけれども、そうなっていないところがさすがゆうきまさみ氏、ということでしょうかね。
それにしても最後に登場した雪村君の兄を自称する人物…「兄」の意味がよくわかりませんねえ。実の兄が存在するかどうかは雪村君自身が知っていることでしょうし、竹之内さんが血分けして成り上がった「オキナガとしての兄」という意味なのでしょうけれども。P96で竹之内さんが「もっとも俺の血で成り上がったのはお前だけだったがな。」と話していますが、これは「戦中では」という意味だったのでしょうし、以前竹之内さんが雪村君は何百年ぶりの適応者だった、と語っているので「兄」というのは、その何百年か前にオキナガとなった人ということなのでしょうかね。ただ、その人が「羊殺し」を引き起こし続けているとすると、事件のスタート地点がよくわからなくなってしまいそうな…。うーん、まだまだ謎は多いですね。
さて、今回8巻を読むにあたって、1巻から再通読[2]恐らく3度目したのですが、毎回新刊を読むごとに通読していないと物語をしっかりと追うのが難しい気がします。もちろん、主要登場人物の会話の掛け合いの妙など、気軽に読むこともできる面白さは兼ね備えている漫画だとも思うのですが、個人的にはどちらかと言うと時間をとってしっかりと読み込みたい漫画ではあります。8巻の竹之内さんによる戦中の回想シーンでは「きこしめす[3]酒を飲むの意」という聞き慣れない[4]聞き慣れないのは自分の不勉強なせいな可能性も大いにありますが…言葉なども使われていて、そういったところからも自分如きが読んでも、細かいところまで気を配って描いていることが感じられるのですよね。この辺りが、ゆうきまさみ氏の漫画から安定感を感じる理由のひとつなのかもしれません。
ちなみに理想の上司像として、頻繁に登場する機動警察パトレイバーの後藤さんですが、個人的には白暮のクロニクルに登場する久保園さんもかなり理想的な上司だと思います。バーコード頭ですけど。後藤隊長よりも実際に自分の上司にいてくれたらありがたいなあ、と思える人ですね[5]後藤隊長が直の上司だとババ引きそうなので…。係長という立場でありながら、課長からの圧力を上手くかわしたり、竹之内参事官とのパイプ役になったり、新人の伏木さんを細かくフォローしたりと、長い年月かけて髪の毛を散らしまくっただけのことはありますね。世の中には髪の毛を無駄に散らしてしまっていて、更には世の中に対して怨嗟を撒き散らすだけの方もいらっしゃいますから…。
ところで、でぃす×こみの2巻まだですかね…。白暮のクロニクルの9巻と同じか、それ以上に待ちわびています。白暮のクロニクルの9巻と同時に8月頃に出るのでしょうかね。
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