地下4階は、強敵揃いの水のフィールド。人魚、ウンディーネ、大ガエル--水の下から急襲してくるモンスター達をライオス一行はどう倒す? どう食べる!? かつての仲間・ナマリも登場し、物語が大きく動く第3巻!
Amazon内容紹介より
多くの方が待ちに待っていたであろうダンジョン飯の3巻です。表紙は普通ダンジョンではあまりお見かけしない気がする[1]それを言ったらダンジョン自体、普通お見かけしませんけど…クラーケンですね。チルチャックさんは2巻で食べてたミミックをまだ食べているみたいです。やはりカニみたいで美味しそうですね。3巻に登場するクラーケンと大ガエルはわりと現実世界の生物と近しい存在なので、まあ食べられそうだな、とか思いながら読みました。
さて、Amazon内容紹介にもある通り3巻には1巻の開始時点ではパーティーにいたナマリさんが登場しました。名前は初出でしたね。職業はパワーファイターといったところでしょうか。かなり軽装備ですが…。また、マルシルさんと本編ではまだ1巻冒頭にしか出てきていないファリンさんの過去編によって、2人のライオスさんを介さない[2]ライオスさんとファリンさんは兄妹友情が見えたことで、マルシルさんがダンジョン飯を食べて、変顔をキメてまで頑張る理由がわかったり。更にその過去編の中でこの世界のダンジョンの成り立ちの一部が明らかになっていたような気がします。
そして、ダンジョン内での死の概念についての1つの考えが提示されることで、RPGでは一般的な蘇生についてのダンジョン飯の世界でのリアリティが補強されていた気もします。3巻までの間にライオスさんもマルシルさんもチルチャックさんも死んだ時のエピソードが少しずつ描かれているので、死自体は珍しいことではないのでしょうね。ただダンジョンを抜けて蘇生を受ける時は、どういう状況になるのか、という点には疑問が残りましたが、あまり細かいことを考えすぎるのは止めておきます。
それにしてもライオスさん、マルシルさん、チルチャックさんはダンジョン最深部まで到達している訳ですし[3]言わば、2周目の縛りプレイ、センシさんはずっと単独ダンジョン飯で生きてきた訳ですし、パーティーレベルは相当高いですよね。そんな高レベルパーティーでも、かなり浅い階層からしっかり属性・特徴を押さえた対応をしないと苦戦してしまう点が描かれているところが、コメディ要素が強いわりには冒険に意外と緊張感のある理由でしょうか。正直、マルシルさんが変顔と精神的なダメージ以外、本格的な物理ダメージを受けるとは思いませんでした。
ところで、ダンジョン・ビオトープで有名どころだとPSPゲームの『勇者のくせになまいきだ。』シリーズがありますが、あちらでダンジョンの創造主であった破壊神さま[4]勇者のくせになまいきだ。の世界ではプレイヤーのことの立場となる存在がダンジョン飯にも存在するのか、というところが今後の楽しみの1つになりそうです。勇者のくせになまいきだ。における魔王のポジションはレッドドラゴンということになるのでしょうか。ダンジョンの創造主に関しては、上でも書いた通り3巻での過去編からすると、きっといるだろうな、という予感はしますが…。ファリンさん救出と、どう前後してくるかなど興味は尽きませんね。
そんな訳で「ダンジョン飯」3巻は、さすがの完成度の高さを感じさせられました。切り口の新しさ、キャラクターの魅力、テンポ、世界観、お話の丁寧さ、コメディ要素のどれをとっても相変わらず、最高級だと思います。10巻も20巻も続くタイプの漫画ではなさそうなところが残念だと、3巻の時点で既に思ってしまいますが今後も引き続き楽しみなのは間違いありません。かなり万人にオススメできる漫画だと思います。
こちらに先行して軽い感想も書きました。一緒に読んでいただけると幸いです。
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