EX-ARM対策課がアキラの脳内で辿り着いた“失われた記憶”の断片、それは10年前、東京を壊滅寸前に追い込んだ「偽アキラ」の姿…。だが“重力を操る”EX-ARM「No.11」と共にその存在は謎に包まれたまま──。真相解明へカラ回りするアキラだったが、EX-ARMを一般人が手にする事件を士牙と共に解決し、徐々に目標を定めていく。だが、「EX-ARMオークション」という危うい招待状が出回り始め…!?
Amazon 内容紹介より
新刊ごとの帯へのコメントに大物が登場する率が高い気のする「EX-ARM」の6巻です。今回は冨樫義博氏でしたね。ちなみに5巻では坂本眞一氏、4巻では貴家悠氏と橘賢一氏、3巻では桂正和氏でした。もちろん、帯はネームバリューのある方が書いていないと意味がないとは思いますけれども、ジャンプ系作家でも、おっ!と目を引く方々の名前が載っているのはかなりの意味がありそうですね。7巻の帯は誰になるのか、今から楽しみです。
さて5巻の学園編に続いて、6巻冒頭では海水浴でのサービスカットがありましたね。美波さんの過去を掘り起こす回だったようです。6巻の帯にある冨樫義博氏のコメントには『表紙がHじゃなかったらもっと早く手に取ってた!』とありましたが、個人的には表紙は明らかにアンドロイドなのがわかるので、気にならないのですけれども、掲載誌の問題でもあるのかもしれませんが、中身でのサービスシーンは多すぎるのでは…と思ってしまいます。いや、もちろんEX-VITAの頃から肌色成分多めですし、そのわりと健康的な露出度は、この漫画の魅力の1つではあるとも思うのですけれどもね。まったくなくなると寂しいけれど、多いと気になってしまって、という複雑な読者心理です。
また6巻で急に始まった感じのある「EX-ARMオークション編」ですが、主催者側の狙いがイマイチよくわかりません。多くのEX-ARMを一堂に会させて奪おうとしているのか、他の狙いがあるのか…。公安の人たちがまとめて対応したい、というのはまだ理解できる話ではあります。仮にそうだとしても、あまりにも不確定要因が多すぎてリスクが大きすぎるとは思いますが。それにしても公安の人たち、EX-ARM対策課を指揮下に入れたわりにはギャンブル中はフリーハンドだったみたいですし、思ったよりもユルい方々なのかもしれませんね。もちろん、その状況すらコントロール下にあったことが将来的に判明する可能性はあると思いますけれども。「EX-ARMオークション編」は関係者を集めて、全体の勢力図を描かせることが目的なのかな、とか思いながら読みました。
ところでEX-ARMはアンドロイドが多く登場するSFの世界観ではありますけれども、ここにきて異能バトルの要素が強くなってきた感があります。今回のブラック・ジャックでのギャンブルバトルは特にそうでした。それぞれのEX-ARMによる能力を使って特定のルールの下で勝負をする、というのは異能バトルと呼んで良いと思いますので。もちろん、ギャンブルのプレーヤーだった美波さんはEX-ARMを所持していない人ではありますし、最終的な勝敗にはEX-ARMの能力が使われていない、というところもあったりして変化形ではありますけれども。個人的には、そんな異能バトルを感じさせる部分が強くなったと思った巻の帯に冨樫義博氏のコメントが載るとは…とか思いました。
ちなみに自分としては、もっとSFベッタリで進行して欲しいので特にアルマさんの出番が減っているのが気になります。いや、もちろんそちら側を強化すると攻殻機動隊そっくり!みたいな感想になっていってしまうことは容易に想像できるところでもあるので、難しいとは思いますが。まあ、この辺りはかなり個人差のある好みの問題でしょう。
そんな訳で「EX-ARM」6巻は5巻での小休止をはさんで、メインストーリーに戻ってきた巻という感じでした。生身の人間として美波さんの出番は減らないと思うものの、アンドロイドであるアルマさんの出番が減っていってしまうのでは、という危惧を若干感じてしまう巻でもありましたね。ただ、相変わらず中高生男子の大好物がこれでもか、と詰め込んでありますので面白いのは間違いないです。
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