かおる、兄・弦太郎からついに独り立ち?相変わらず兄の助けを借りながら毎回のネームを乗り越えているかおる。しかし、漫画賞同期受賞の新人漫画家・蘭丸との出会いが彼女の漫画家魂に火をつけて—!?豪華ゲスト作家のBL漫画カラー着色もフルカラーで収録!ゆうきまさみ印の漫画家コメディー、第2集!
Amazon 内容紹介より
2巻までが長かったですね。どちらかと言うとゆっくりした刊行ペースの漫画が好きなのですが[1]理想は年1回、さすがに間隔が2年になると心配になります。「白暮のクロニクル」があっての漫画だとは思いますから[2]1巻のあとがきにも「鉄腕バーディー」に煮詰まっていた時に思い付いた、というような話が書いてありましたしね、このくらいのテンポが良いのかもしれませんけれどもね。長期間連載されるテイストの漫画ではないように思いますが、「白暮のクロニクル」が終わったらどういうペースになるのでしょうか。少し気になります。
さて「でぃす×こみ」ですが、相変わらず就活失敗組のはずであるお兄さんの弦太朗君[3]「君」と付けるのがはばかられるくらいに落ち着いていますね…の余裕っぷりが凄いです。単純に楽天的なのか、自分の才能を信じているのか…。初めての漫画投稿で新人漫画賞を受賞するような漫画も描けてしまいますし、1巻の時の編集部にいる際の電話対応から、編集部の人へのアドバイスまで、肩の力が抜けている感じでそつなくこなしているところを見ると、きっとどんな道に進んでもやっていける自信がある程度はあるのだろうなあ、とか思います。平均よりは不安が強い自分であったら、妹に付き添って編集者と対応するとか、緊張で死んでしまいそうになるでしょうし、そもそも就職失敗している時点でもっと死にそうな顔をしている気がしますね。
逆に「できない、できない」と繰り返して2巻表紙のように頭を抱えているシーンも多い主人公のかおるちゃんではありますが、小学生の頃から漫画の投稿を続けていたり、高校生活と並行してかなりのハイペースで漫画を描き続けるところや、何だかんだで最終的には仕上げていく、という負けん気の強さなどは、見ていて気持ちが良かったです。母子家庭で育った2人なので、その影響が上手く働いているのでしょうかね。この兄妹の関係は見ていてかなり好感をもてます。自分では残念ながら、どういった内容であったとしても妹にここまで的確なアドバイスをすることができないだろうなあ、というところは読んでいて少し悲しくもなりました。
ところで、「でぃす×こみ」 2巻ではこの広い宇宙には自分が認知すらしていない謎がまだまだ隠されていることを新たに知りました。
このコマのある9話のオチはかなり笑ってしまいましたね。そりゃあ、担当編集の人もその変化にビックリします。その編集担当の八反田さんは、少しずつ原稿の質の違いに気付き始めているようなので3巻は激動の巻になるかもしれません。最終的には兄妹合作みたいなことになるのでしょうかね。
そんな訳で「でぃす×こみ」2巻は随分と1巻とのあいだが空いた巻になりました。基本的には1巻の延長にあるお話でしたが、あいだが空いていたことと1冊が短めであるせいか、この先もずっと同じことを繰り返していたとしても違和感なく読めてしまいそうな気がしてしまいましたね。もちろん、刊行ペースがあがったりすれば、かなり印象は変わってくるでしょうし、まとめて読んだら厳しいでしょうけれども。そう考えれば起こることが必然とも言える、3巻での新たな展開が今から恐いです。かおるちゃんがあまりツラい思いをしないといいのですけれどもね…。
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