「オイお前 白石だろッ」逃げるは上手いが、すぐ捕まる! 第七師団に捕らえられた脱獄王・白石を救うべく杉元、土方一行は「白石奪還作戦」を決行することに。迎え撃つは総本山・旭川第七師団本部!! この作戦に需要と勝機はあるのか!? 冒険・歴史浪漫・文化・狩猟グルメ! LOVE&GAG! 全部煮込んだ和風闇鍋ウエスタンついに大台・第10巻!!!!!!!!
Amazon内容紹介より
ゴールデンカムイもとうとう2桁10巻突入ですね。6巻辺りからは怒涛の勢いで発刊されている気がします。表紙は1巻以来となる不死身の杉元さん。1巻の時とは違って今回は鬼気迫るという言葉がピッタリとくるような表情ですね。裏表紙のアシリパさんはさすがの美少女でした。中では変顔の連発でしたけれども…。中身は全体的に相変わらずで最高です。
さて「ゴールデンカムイ」10巻ですけれども、冒頭のアイヌグルメからアイヌ文化、バトル、ギャグ、メインストーリーまでとてもバランスが良かった印象です。内容紹介にある闇鍋感は毎回のことですけれども、そのバランスが一時期若干崩れかけていた気がしていたので、安心しました。9巻の時に感想に書いた「少し落ち着いた展開が欲しい」という要望が早くも叶えられた格好ですね。またメインストーリーに関しては相変わらず敵味方という切り分け方がなくて良いなあ、と思いながら読みました。今後も裏切り裏切られみたいなことが前提としてありそうですけれども、その辺りは望んでいる展開ではありますし。ただ杉元さんとアシリパさんが一時的にでも敵対関係になることだけは見たくないかな、と10巻のラストを読みながらしみじみと思いました。
ちなみに以前から何度も書いていますが、個人的にはゴールデンカムイはメインストーリー以上にアイヌグルメとアイヌ文化や自然描写などの部分を楽しんでいるのですけれども、突然エゾシマリスやサッポロマイマイが特に脈略なく入ってきたのには驚きました。特にサッポロマイマイは地味に面白かったです。出来れば白石さん辺りのキャラクターともう少ししっかりと絡ませてくれたらもっと良かったですのに…。
そして飛行船の上で白石さんと杉元さんとアシリパさんがキーキー言いながらエンジンらしき物をバンバンと叩いていますけれども、あれは猿の真似なのでしょうかね。白石さんと杉元さんに関しては猿の真似をしていても特に疑問はないのですが、アシリパさんに関しては猿を見たことがないはずなので[1]北海道には猿の北限を越えているので、ゴールデンカムイの時代のアイヌであるアシリパさんは猿を見たことがないはず、他の2人の真似をしているのでなければ、なぜ猿を知っているのだ…とか考えてしまいました。まあ、そんなに深く考える必要もないですし、3人が仲良くじゃれ合っていただけと考えるのが幸せですね。
ところでチカパシ君が色々と目覚めてしまっている気がして将来が不安です。遠目で服の上からおっぱいを見るだけでインカラマツさんを判別するとか、特殊能力すぎるでしょう。今後、各種歴戦の変態たちの中で成長していくとしたら、将来チカパシ君は規格外の変態になってしまうのかもしれませんね。楽しみです。また変態たちの中心にいるようなアシリパさんは土方さんに抱かれて眠るシーンなどを見ると、ホッと安心できるものがあったり、10巻最後のシーンでは杉元さんと一緒になって感極まってしまいそうになる言葉をかけてくれますし、単なる変態ではないので土方さんが言うように大物感がありますね。さすがにチカパシ君には大物感は感じません。すぐ脱ぎますし…。
そんな訳で「ゴールデンカムイ」10巻は相変わらずの勢いがありつつも、安定した闇鍋感を感じられるようにもなっていて安心しました。これだけ色々と詰め込んでおいて、怒涛の勢いで展開させているお話をしっかりと落ち着かせることができるバランス感覚に脱帽です。10巻以降も安心して読み続けることができそうなので嬉しいですね。楽しみです。
References
↑1 | 北海道には猿の北限を越えているので、ゴールデンカムイの時代のアイヌであるアシリパさんは猿を見たことがないはず |
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