迷宮の主人にして不死者。狂乱の魔術師、現る!炎竜(レッドドラゴン)を倒し、ついに妹のファリンを救出したライオス。ホッとしたのも束の間、彼らの前に、迷宮の主・狂乱の魔術師が現れる……!果たして、ライオス達は生きて迷宮を脱出できるのか!?生きて帰るまでが冒険だ! 食事もストーリーも怒涛の第5巻!
Amazon内容紹介より
表紙絵は復活したばかりのファリンさんでしたね。抱えているのは聖書的なものかと思いきや、まな板です…。右手に振りかぶったのはメイスではなくて、もしかしたら巨大なミートハンマーでしょうか。このミートハンマーであれば、炎竜のお肉も柔らかく頂けそうですよね。炎竜のお肉を柔らかくするためのミートハンマーを使うにはまな板の大きさが圧倒的に足りなそうではありますけれども…。そして、まな板ごと砕けそうです。
さて「ダンジョン飯」5巻です。もう5巻ですか…5巻くらいで完結する漫画だと思っていましたけれども、まだまだ続きそうですね。ダンジョン飯を長く楽しめる、という意味では嬉しい話ではありますが、この展開はサクッと終わることのできる漫画である時期を逸したと言えなくもないと思います。その結果として最終的にどう評価されるのかはまだわかりませんけれども、今はただ1巻1巻ダンジョン飯を楽しむ、というスタンスで読んでいこうと思っています。
ちなみに九井諒子氏のお話作りはかなり安定していると思いますので、ダンジョン飯のお話が急激に面白くなくなる、という不安は抱いていません。ただし「飯」に関して言うと、若干目新しさが欲しいかな、というのはありますね。基本的にはずっと、倒した魔物たちをライオスさんが食べたそうに見ているところで、センシさんが腕を奮って素敵な料理にして、後の2人は嫌々ながら食べて、困ったことに美味しかった…という流れですから。むしろ、メインストーリーのシリアス度合いが増すごとに「飯」部分の気の抜け方や単純な面白さはますます重要になってきている気がします。そういう意味ではパ―ティーが拡大するか、他のパーティーの様子まで詳細に描かれる今後が予想できますから、今までにはなかった「飯」パターンは登場しそうですね。シュローさんパーティーによる東方料理をセンシさんが学ぶ、アレンジする、みたいなことも今後はありそうな気がします。
また、まだどのような人物なのかはイマイチわかりませんけれども、狂乱の魔術師やデルガル様みたいな少しスケールの大きいキャラクターやカブルーさんのような癖のありそうなキャラクターを今後どう調理[1]「料理」という意味ではなくしていくかは楽しみですね。その辺りのキャラクターにはシリアス一辺倒でいくのか、それともギャグパートにも引っ張り込むのか…なかなか判断が難しそうです。カブルーさんパーティーの面々は積極的にギャグパートに参加してくれそうな雰囲気を既に醸し出して[2]というか、既にギャグパートを担当していますけれども。
ところで一時撤退を決定したライオスさんのパーティーですけれども、そのままお話も一旦ダンジョンの外まで広がるのでしょうかね。ダンジョンの成り立ちやそれを取り巻く状況までをクリアにする、という漫画なのであれば、ダンジョンの外までお話が広がっていきそうな気もしますけれども、少し広がりすぎそうな気もしますし…。帰り道で諸々あって解決、みたいなことになるのか、そもそもパーティーが拡大して帰る必要がなくなった、という判断をするのか、6巻での展開も気になるところです。
そんな訳で「ダンジョン飯」5巻は相変わらずの面白さの一方で、シリアスな長期展開が確定的と予想される巻になりました。若干「飯」分が不足しがちに見えるのでセンシさんには「若者には飯を食わせなければ」の精神で今後も頑張っていただきたいところです。個人的にはミックベルさんとクロさんのコンビの笑いに期待しています。
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