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【漫画感想】「ゴールデンカムイ」 11巻

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【漫画感想】「ゴールデンカムイ」 11巻
ゴールデンカムイ 11巻 / 野田 サトル

反逆の情報将校・鶴見から逃れるため、杉元一行は、釧路へ向かう。一方、刺青人皮の噂を追って鶴見率いる第七師団は小樽へと。待っていたのは電光石火の稲妻強盗、艶めく毒婦・蝮のお銀。北の最強軍団vs最凶夫婦、稲妻強盗編収録! 毒も蝮も稲妻も、グツグツ煮込んだ和風闇鍋ウエスタン! 痺れるほどの感動を貴方へ贈る第11巻ッ!!!!!!!

Amazon内容紹介より

いつかはアニメ化するだろうと思っていましたけれども、思ったよりもその時期が早かった気がします。この漫画と同じスピード感でアニメにしたら特に初見の視聴者は付いて行くのがとても大変そうな気がしますが、どのような感じになるのでしょうか。楽しみではあります。そして、原作通りに描くのがアニメのすべてではありませんけれども、この漫画の挑戦をどこまで描くことが出来るのか、気になるところです。

さて「ゴールデンカムイ」11巻です。冒頭から大雪山系の美しい描写で始まり、死んだ鹿の肉に包まっている状態でヒグマに囲まれている杉元さんたち、そして白石さんのヒグマに見守られながら鹿からの誕生シーンと、再び大雪山系の固有種や現在ではレッドリスト入りしている動植物などを羅列しつつ[1]含む白石さん、こちらも現在ではレッドリスト入りしているエゾナキウサギ[2]とても可愛いのに躊躇なくペッタンコにしてしまいました…をアシリパさんが罠で捕獲する、というまさにゴールデンカムイ!と言いたくなるような幕開けでした。やはりこのバランス感覚が大好きです。

またゴールデンカムイと言えば、次々と出現する変態さんたちでお馴染みですけれども、11巻でも新たな変態さんが登場しました。姉畑支遁[3]あねはたしとんさんです。ゴールデンカムイに登場する変態さんたちの中では、かなりストレートなタイプの変態さんですね。ストレート故に強烈な爪痕を残しつつありますけれども…。やはり王道は強いな、という印象があります。「さすがにモデルはいないよな…」とか思ってGoogle先生にお尋ねしたのですけれども、まさかの結果に。あくまで読者の推測の積み重ねではありますが、まあ間違いないのでしょう。だって、割と似てますものね。今後も野田サトル氏の生み出す変態さんから目が離せません。

それにしても11巻にして尾形さんをここまで掘り下げてくるとは…予想外でした。もう少し(ゴールデンカムイにしては)地味に消えていくキャラクターなのかと思っていましたけれども、かなり主力級の掘り下げ方ですね。このままラスト近くまで主力級で頑張ってくれるのか、それともそろそろ舞台を降りる時間が近付いているのか、好きなキャラクターだけに、いつヒンナ[4]アイヌの人たちが食事に感謝する言葉と言えるようになるのかも含めて気になるところです。これで12巻になって大活躍をし始めたら覚悟を決めようと思います。

ところでアシリパさんの杉元さんに対する想いは想像以上で、単なる憧れみたいな領域を超えているのかもしれないなあ、とか鶴の舞のシーンを読んで思いました。元々、憧れはあったのだと思いますけれども、生死を共にする長い旅の中で、そして少しずつアシリパさんも大人の女性になっていくことで、想いも変化してきているように感じられるシーンでした。そこで鶴の舞を踊ってしまうところが、まだまだ幼いアシリパさんだなあ、とも思いますけれども。

そんな訳で「ゴールデンカムイ」11巻は相変わらずのスピード感と変態性、そして北海道やアイヌの自然・文化・料理などについて思いを巡らしたくなるような漫画でした。アニメ化については不安に思う部分も少なからずありますけれども、やはり楽しみなところの方が大きいです。この漫画がどういうように料理されるのか、12巻とともに楽しみに待ちたいと思います。

References

References
1 含む白石さん
2 とても可愛いのに躊躇なくペッタンコにしてしまいました…
3 あねはたしとん
4 アイヌの人たちが食事に感謝する言葉

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