人体と機械を融合させた究極の格闘技──機関拳闘。その最高峰の大会「サザンスラム」で“帝王”オリバーと「王者戦」を戦うことになったレビウスは、調印式の場で驚くべき事実を知ることになる。大会の背後にうごめく陰謀を感じ取りながらも「それでも、僕は戦う」と宣言するレビウス。一方、Grade-3で本戦出場を決めたナタリアだったが、その初戦の相手は…!!?
Amazon内容紹介より
日本では珍しい左綴じ漫画であるLevius/estも無印Leviusの時代の3巻を超えて4巻突入ですね。以前から繰り返して書いていますが、この画と世界観のカッコ良さを併せ持った漫画はそれほどは多くないと思います。左綴じ漫画だから、という訳ではありませんけれども、テイストや画などを考えると世界的にかなり人気が出そうな気がします[1]実際にフランス語版なども出版されていますしね。
さて「Levius/est」4巻です。4巻でも主要キャラクターの闘うシーンはありませんでしたね。完全にモブキャラクターと思える人物たちの拳闘シーンでも大迫力なので、まったく闘っていないイメージがありませんでしたが。主人公であるレビウス君の拳闘はまだまだ先になりそうですけれども、5巻ではナタリアさんがA.Jの弟であるバルテュス=J=ラングドン君との闘いが始まってしまいそうですね。この漫画におけるナタリアさんのキャラクターは立ち位置的に重要になってきた気がするので、死んでしまうことはないと思いますけれども…無事で済むことはなさそうです。個人的にはあまり悲惨なことにならないと良いなあ、と願っています。
またモブキャラクターと言えば、4巻での拳闘シーンの1つを演じたパピー=ナッツさんが、あくまでもモブキャラクターとしていい味を出し続けてくれたのが印象的でした。今回の「サザンスラム」の舞台からは早々に退場してしまいましたが、名のあるモブキャラクターとして5巻以降も登場して盛り上げて欲しいな、とか思いました。闘い終わって生きているキャラクターがあまりにも少ないので、こういうキャラクターは大切な気がしますね。そして出来れば「拳闘終了=どちらかの死」ではない方が嬉しいです。
そしてピエロ顔キャラクターであるアメジスト代表のDr.クラウン ジャック=プディングさんは相変わらずの悪役でしたね。最終的にはこの人が闘わないラスボス的なポジションになるのでしょうか。The 悪役という雰囲気をしっかりと醸し出してくれていて、良いですね。3巻の感想でも書いた通り、相変わらず登場するたびに幽遊白書に出てきた美しい魔闘家鈴木の人を連想してしまう訳ですが…[2]絵柄の関係でもっとカッコ良いです。
それにしても機関拳闘連盟の総帥であるピエール=ビスコッティさんはオシャレでカッコ良いですねえ。悪役、という訳ではないのですけれども、現代社会で言えばTV業界などにいそうな視聴率至上主義者みたいなイメージの人物と言えるでしょうか。これだけのオシャレおじさんを見たのは久しぶりな気がします。ピエールと言えばフランス語圏のようなビスコッティと言えばイタリア語圏のような…不思議に名前までオシャレに感じます。このキャラクターが闘うことは確実にないと思いますが[3]あったら漫画史上でも、かなり上位に入る衝撃度だと思います、今後も定期的に重要な場面で登場して欲しいな、と思うお気に入りにキャラクターとなりました。
そんな訳で「Levius/est」4巻は3巻に引き続き、溜めの巻となりました。3巻よりも「溜め」という印象が薄かったのは主要キャラクターではないと言え、迫力ある拳闘シーンがあった点や次回への盛り上がりが前回よりも大きかったから、と言えるかもしれません。俄然、5巻が楽しみになってきました。ナタリアさんの活躍に期待です。
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