【漫画感想】「少女終末旅行」 5巻

少女終末旅行 5 (BUNCH COMICS)

終末世界を生きる少女たちを描く新感覚日常漫画も第5弾に突入。謎の生命体から地球の終わりが近いと知らされても、チトとユーリはどこ吹く風。それよりも大切なのは、二人で今日を生きることと、明日を生きるための燃料と食料を補給することだ。そうやってこれまで通り旅を続ける彼女たちは、ついに都市の最上階へと続く塔を発見。目的地を目の前にして、二人は懐かしい故郷のことを思い出す……。

Amazon内容紹介より

アニメの放送が始まる前に感想を書こうと思っていたのですが、ブログ自体の引越し作業だり何だりで、結局このタイミングになってしまいました。半年は時間を空けすぎましたね。既にアニメ終了からも時間が経ち、6巻ですら3月9日に発売されてしまいました。少女終末旅行にしては発売テンポが早い気がしますが、アニメ終了のタイミングとかも考えられているのでしょう。アニメはほとんどチェック出来ませんでしたけれども、盛り上がっていたのだったらいいなあ…。この感想文を書き終わったら自分も6巻を読もうと思います。

 

さて「少女終末旅行」5巻です。相変わらずの絶望です。5巻でも新たな人物や生物は登場することもなく、2人の終末旅行は続いています。4巻までも色々と2人の身にアクシデントは襲いかかっていましたが、5巻でのアクシデントが一番生命の危険を感じさせるものだったように感じられます。実際その為にチトは怪我をしてしまいました。ただし、やはりそんな中でも2人は変わらぬテンションで旅を続けていきます。諦観、とでも呼べば良いのでしょうか。自分が陥ったら正気ではいられないであろう状況下で、こうやって一見のほほんと旅を続けているように感じられるのは、どんな精神状況のなせることなのか、気になります。自分がそういう精神性を身に付けたいか、と問われれば否ですが。

チトとユーリは「強さ」とか「鈍感さ」とかとはまた一味違った感覚を身に付けているのでしょう。「絶望と仲良く」というのは、恐らくこういったことなのだと思います。もしかしたら「少女終末旅行」に今まで登場した人物たちには皆同じ感覚を持っていたのかもしれませんね。実際に現実世界で人類最後の時を生きる人たちも同じようになるのか、自分の貧しい想像力では思い至れませんし、その場に存在はしたくはありませんけれども、遠くから眺めてみたい気持ちにはなりました。

 

生命がほとんど死に絶え、人類も消え去りそうになっている時間の流れの中では、AI1ですら消え去ることを望んでしまうのでしょうか。今の自分が思い描くよりも遥かに人間らしいAIでしたから、それも仕方のない話なのかもしれません。AIの話からは少女終末旅行の世界の形がほんの少しだけわかりましたね。この世界にはチトとユーリが登っているものの他に5本の似たような基幹塔と呼ばれている物が建っているようです。そもそも何の「基幹」となっているのかは謎ですけれども。果たしてチトとユーリは目指しているはずの、この塔の最上部までたどり着けるのか。そして、たどり着けるのだとしたら、そこに何かがあるのか…気になります。それにしてもAIの表現によると「永遠の不眠症」、不眠症を体験したことのない自分には想像が出来ないくらいに辛そうな言葉ですね。それは消え去りたくもなって当然なのかもしれません。

 

ところで、今回一番印象に残ったのは「複製美術史博物館」と読める施設の廃墟でのシーンでした。「アルタミラ洞窟壁画」の隣にユーリ作による人類最後になるかもしれない絵が飾られている最後のシーンは何とも言えない切なさが残りました。チトとユーリの旅路は原始の時代の狩猟採集よりも遥かに行き当たりばったり感の強い日々だったように思いますが、描かれた絵が2人を象徴するかのようにお気楽でハッピーなテイストのものであって良かったです。

 

そんな訳で「少女終末旅行」5巻は相変わらず「絶望と仲良く」を見せ付けてくれる内容でした。個人的には読み進めていくごとに切なさが増してきていて、読みたいけどツラい…みたいな感じにすらなっています。どう考えてもハッピーエンドにはならないよなあ、と思いますけれども、これで絵に描いたようなハッピーエンドが待っているとしたら、それはそれで残念な気持ちになるのでしょうね。何はともあれ続きが楽しみです。この更新が終わったら早速6巻を読むことにしましょう。

少女終末旅行


  1. 作中では「人工知能」と書かれていました。 

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