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【漫画感想】「任侠転生-異世界のヤクザ姫-」 8巻

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任侠転生-異世界のヤクザ姫- 8巻 / 宮下裕樹(著), 夏原武(原案)
任侠転生-異世界のヤクザ姫- 8巻 / 宮下裕樹(著), 夏原武(原案)

誰も縛れない!異世界ヤクザ無双!!魔法大国アルテミートの闇…「導樹売買」に巻き込まれ、囚われの身となったリュー。そこで見たのは、”対魔王”の大義名分の裏で犠牲となっている弱き者たちの姿だった―――涙を流す幼子を前に、力を失ったリューが、いま拳を再び握り…!?

Amazon内容紹介より

『任侠転生-異世界のヤクザ姫-』8巻の初版は2022年4月。タイトルの通り、任侠の世界に生きていた男性が異世界の美少女のお姫様に転生するという、いわゆる転生モノ。7巻では『リュー姫』の『導樹スキルツリー』が消えてしまっていましたが、8巻では無事に復活。消失の理由はあまり深く言及されていませんでしたけれども、根詰まりみたいなものらしいです。『導樹』は「樹」というだけあって、多すぎると複雑に絡み合ってダメになってしまうような、まさに植物的な要素を備えているのですね。不要そうなスキルを間引いてあげる必要があったのでしょうか。少し謎。

さて『任侠転生-異世界のヤクザ姫-』8巻です。7巻で頑張って潜入した『アルテミート』で大暴れです。お話の特性上仕方がないことではあるのですけれども、この手の潜入を含んだお話はステルスアクションゲームで途中まで頑張って隠れていたのに最終的にはガンガン銃器撃ちまくってしまうプレイング感があって何とも言えない気持ちになります。もちろん、最後まで隠れたままエピソードの終わりまでいってしまったらきっとそれにも文句を言うだけでしょうから、この形で良いと思いますけれども、少しだけ引っかかる部分がありますね。とはいえ、7巻の感想でも書きましたが、8巻でも導樹先生こと『ルーシー・マイル』先生がしっかりと活躍してくれたのでとても嬉しかったです。このエピソードの中では結局、一番不幸な状態の登場人物ではありましたが、着地点としては納得感があり『ルーシー・マイル』先生自身も最後には素敵な笑顔を見せてくれていたので良かったなあ…と満足できました。それにしても、その結末を可能にした『にゃんきち[1]『リュー姫』にだけ呼ばれている名称』こと法王=賢王『ハンナ・ランクス』さんの「最高位治癒魔法スカイライト・グレイス」の威力は凄まじかったですね。おかげで『ジョバンニ』さんも死なずに済んだようです。良かった良かった。ただ「最高位治癒魔法」にどれだけの魔法力の蓄積が必要かは不明なものの、若干バランスブレイカー気味のような…ってバランスとか言ったらそもそも『リュー姫』の能力が明らかにバランスを欠いている訳ですが。この辺はあまり細かいことを考えない方が吉だと思います。

ちなみに8巻での大きな転換はP164でしょう。「あれ?魔王様ですか?」とか思ってしまいました。まだ正体不明ではありますけれども、少し変化球がやってきた予感です。6巻で『リュー姫』が倒した『アギト様』のような魔王様の一部だったのか、はたまた本体だったのか、もしくは単に上級レベルの魔物だったのか…非常に気になるところです。何となく『バスタード』の『アンスラサクス』っぽさがあったので本体かな、とか読んだ瞬間は思ってしまいました。ただ、1巻などで登場した魔王様の雰囲気だとP164よりも、もう少し造形が複雑だったでしょうか。とはいえ、最終決戦の相手が誰になるのかはわからないものの、何となくラスボス感のある面々がお話の中には出揃ってきた気がします。ありそうなのは、魔王様がP164の人物を飲み込んだ最終形態がラスボス、でしょうか。特に根拠はありませんが。

ところで7巻では登場せずに少し悲しかった任侠用語的な言葉ですが、8巻では「女房バシタ」という言葉が登場しました。漫画内でも漢字にルビがふってある状態でしたので意味は問題なくとれましたけれども、「女房」を「バシタ」と呼ぶのはかなり専門?用語な感じがしました。これで漢字がなく「バシタ」と書かれていたらまず意味がわからないでしょうね。検索してみると語源についてはいくつかの説があるようですけれども、大筋では似たような意味合いでした。言葉を省略したり倒語になっていたりするのは各業界用語あるあるなのでしょう。法則的にはわかりやすい部類ですが、面白いです。9巻でも引き続き任侠用語的な言葉が登場することを期待したいです。

愛人や女房のこと。【語源】立場が下の意味。「バシタを(寝)取るな」といわれる。

バシタ – 刑事弁護オアシス より

そんな訳で『任侠転生-異世界のヤクザ姫-』8巻は7巻から舞台となった『アルテミート』でのエピソードが終結しました。7巻の感想で期待した通りに『ルーシー・マイル』先生がしっかりと活躍してくれました。嬉しい。また6巻で兄弟の契りをした『竜王』とは関係性が違いますけれども、8巻で『賢王』とも良好な関係となったようです。残りは精霊王、海王、鋼王ですね。そう考えると、まだわりと先は長そうです。8巻ラストで登場した人々の正体など9巻でも楽しみなことが多そうです。最後に『ニュイ』さんが無事に復活してくれたのは本当に嬉しかったです。良かった!

References

References
1 『リュー姫』にだけ呼ばれている名称

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