【漫画感想】「事件記者トトコ!」 3巻
*1、絶対に誰も死なないな、ということが伝わってくるのですよね。トトコ以外の周囲の人間は顔を引っ掻かれたり、高いところから落ちたりと、それなりに痛い思いはしていそうではありますが。事件記者なのに、その扱っている事件では誰も死なない、とても平和な世界で好きです。
また、その騒動を引き起こす側の人間?たちも迷惑な輩であることは間違いないのですが、そこに大した悪意はなく、迷惑度合いではトトコの方が一枚上手、という憎めなさ。もちろん、トトコ自身には悪意の欠片もなく、素直な食い気と好奇心だけで行動していますから、優しい目で眺めていられます。
更にトトコの上司である桃園デスクを始めとして、綺麗な女性陣もそこそこ登場し、色恋の片鱗は見えるものの、トトコにとっては色気より食い気ですから、結局、読者に見えるのはドタバタしているけれども、平和で食べ物が美味しそうなトトコ・ワールドなのです。もちろん、私の感じる安心感という部分に退屈さを感じる方はいらっしゃるでしょうし、それは理解できますけれどもね。
トトコ・ワールドは、大正時代的な背景の中に、アンドロイド・メイドが登場したり獣人たちが現れたりと、ともすれば世界観の統一が難しそうな要素が少なくないのですが、とても綺麗にまとめられています。3巻までで、かなり丁寧に世界は描けたと言って良いのではないでしょうか。この世界の中で、1~3巻のような小さなドタバタ劇を続けるのか、大きな物語を動かしていくのか、どちらもアリな気がしますが、何となく前者かな、と思いますし私もそちらを望んでいる気がします。少しもったいない気もしなくはないのですが、ね…。
*1:大半の騒動を大きくしているのはトトコ自身なのですが…