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【漫画感想】「ゴールデンカムイ」 7巻

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ゴールデンカムイ 7巻
ゴールデンカムイ 7巻 / 野田 サトル

北の最果て金城鉄壁「網走監獄」を目指す杉元一行は、過去や未来が見えるという不思議な女占い師インカラマッに出会う…。謎めく美女の目的とは? そして、刺青人皮の噂の元に不死身の羆が出現し…!!? 冒険、歴史浪漫、狩猟グルメ全部入りッ! 和風闇鍋ウエスタン!! 魅力吹き零れる第7巻ッ!!!!!!!!

Amazon内容紹介より

つい先日、6巻を読んだばかりだと思っていたのですが、もう7巻です。怒涛の刊行ですね。お話の方も相変わらずのスピード感があってとてもノッている雰囲気があります。漫画賞の受賞も納得です。それにしても7巻の表紙のキロランケさん、イケメンですね。落ち着いていますし、長身で、馬にも優しくて、髭の伸びも尋常ではないとなるとモテまくるに違いありません。

さてゴールデンカムイの7巻ですが、皆さんお待ちかねだと思われるアイヌグルメの回、今回は弱めでしたがやってきました。「トッカリ[1]アイヌ語で「海の周りを移動する」という意味の動物だそうですの塩茹で」です。ニリンソウのストックがなく塩茹でするだけしか出来なくて落ち込むアシリパさんが、そのグルメなところを存分に見せ付けてくれていますね。実は私は杉元さんがオソマ[2]と言う名の味噌を入れてくれなかったので、オソマを食べられなかったために落ち込んでいるのが本当のところなのでは、と穿った見方をしてしまいましたが…。トッカリの味は魚と牛肉の中間、だそうでちょっと食べてみたくなりますね。アシリパさんみたいに食べるために殴り殺すことは出来そうにありませんけれども。

それにしても食べる為とはいえ、容赦なく動物たちを棒で殴り殺しにかかるアシリパさんと、そんなアシリパさんに「一撃でお願いねぇ…」と呟いてみたり、かわいそう…みたいなピュアな目で見つめる杉元さんとの差を結構感じる巻でした。日露戦争帰りで数々の修羅場をくぐっているであろう杉元さんと、現代でぬくぬくしている私との間で同じ感覚を共有しているとはまったく思えませんけれども、食べるために動物を狩る、という点に関してはアイヌのアシリパさんと杉元さんとの感覚の差よりも私と杉元さんの感覚の差の方が小さいのかな、とか思いました。きっと現代を生きていても北の大地・北海道などで牧場経営をしている方たちなどは、むしろアシリパさんの感覚の方が近いのかもしれませんので、これはきっと経験の差なのかもしれません[3] … Continue reading

ところで6巻の感想に「アシリパさんがオソマ好きすぎて、もしかしたら特殊性癖の人なのかも」みたいなことを書きましたが、7巻でもオソマ大好きすぎるシーンがありました。アシリパさんが何か大発見をしたような口ぶりで杉元さんを呼ぶのですが結局オソマだった訳で、そりゃあ杉元さんだって「ん やっぱウンコかぁ~…」と呟きたくなります。いや、もちろんそのオソマの中にも色々な知識・情報が詰まっていて、アシリパさんの説明には杉元さんと一緒になるほどなあ、と思わされる訳ですけれども、それにしてもオソマ大好きが高じて…みたいな風にしか受け取れなくなりつつあります。アシリパさんは「私は新しいアイヌの女だから」と言い切ったり、冷静な判断力と行動力だったり、かなりのカッコ良い美人さんですのに、変顔の連発とそのオソマ大好きっぷりで台無し感があります。いや、もちろん変顔を連発してオソマ大好きなアシリパさんが私は好きですけれどもね。

さてさてゴールデンカムイにおける美人枠には、そんなアシリパさんと本当に見た目だけの家永さんくらいしか登場していませんでしたが、7巻になって本格的な謎美人が登場しましたね。占い師インカラマツさんです[4]ラとツは小さい文字表記[5]inカラ松みたいに読めてしまいカラ松ボイスが流れ出して困りました。まだ謎すぎるので、美人に見えるのも実は幻術、みたいなところまでは覚悟しておこうと思いますが、8巻以降の再登場が楽しみです。

ちなみに7巻では超絶変態的な人物は登場しませんでした。もちろん5,6巻と比較すると、という話ではありますが。個人的にはメインストーリーとアイヌグルメ・アイヌ文化、強烈なキャラクターの割合は7巻くらいがちょうど良いと感じます。特に5巻はキャラクターの強烈さがすべてを吹き飛ばしてしまっていて、バランスが悪いように感じましたので。超絶変態を登場させすぎて、変態インフレが起こるのもよろしくないと思いますしね。そんな訳で、私には7巻は安定感を取り戻した巻に感じられました。何となくではありますが今後も大崩れすることはなさそうだな、と思えた巻になった気もします。8巻も主にアイヌ食レポが楽しみになりました。

References

References
1 アイヌ語で「海の周りを移動する」という意味の動物だそうです
2 と言う名の味噌
3 漫画ではなく、現実世界で日露戦争後の時代を生きていた人たちにとって、アシリパさんと杉元さんのどちらの感覚がより実際に近いのか、ということの本当のところはわかりませんが…
4 ラとツは小さい文字表記
5 inカラ松みたいに読めてしまいカラ松ボイスが流れ出して困りました

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