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【漫画感想】「メイドインアビス」 4巻

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メイドインアビス 4巻
メイドインアビス 4巻 / つくしあきひと

タマウガチの毒に侵され、昏睡状態に陥ってしまったリコ。だがレグとナナチの献身的な介抱により、無事回復を遂る。そしてナナチのアジトで再び体勢を立て直した三人は、アビスの下層を目指し、さらに過酷な冒険を続けていく――。そんな中、六層への入り口・前線基地(イドフロント)で、三人の前に現れた少女・プルシュカ。彼女はなんとナナチの宿敵ボンドルドの娘だった――。必然と奇跡が入り混じる大冒険活劇、第四巻!!

Amazon 内容紹介より

間違いなく、私が今一番面白いと感じる漫画であるメイドインアビスの4巻です。3巻では面白さを上回るツラい展開があったので読後に呆然としてしまいましたね。4巻ではそこまでではないものの、相変わらずなアビスの世界でした。残酷で美しく、厳しく優しい、そんなアビスをリコ、レグ、そしてナナチが駆け抜けていきます。「登場人物たちがカワイイ!」というだけでは読み進めることが出来ない、かなり重い内容ではありますが、これこそ冒険、という気はします。

さて4巻はナナチが本格的に仲間となった巻になりましたが、辛い過去があり、更にアビスのようなところでミーティを1人で守りながら生き抜いてきたとは思えない程に素直ですし、しかも優しくモフモフかわいいので、パーティー離脱は出来るだけ避けて欲しいな、と思います。4巻の後半で既に怪しい雲行きがありますし、最終盤までは一緒にいられないだろうな、とは想像出来ますけれども、絶対に幸せになって欲しいキャラクターですね。ただアビスの世界は読者のそんな期待をアッサリと裏切ってくるでしょうから、油断出来ません。少なくともナナチが美味しそうにご飯を食べる、レグ曰く「あのすばらしい光景」を私もまだもう少しは見続けていたいな、と思いました。

ところで4巻は、ボンドルドが初登場のプルシュカ[1]「血は薄い」けど娘、という表現も気になるところですに対して、何だか恐ろしいことを始めそうなところで終わりましたが、ボンドルドが「紅を付けたものは全て破棄して下さい」と言っていて、身体中のあらゆる部分が内臓も含めて記されているところから考えるとサイボーグ化(みたいなことを)するということなのでしょうかね。ボンドルドがアンブラハンズと頭だけ交換しているようなシーンもありましたから、きっとボンドルド自体が脳だけ残っていて…みたいなことでプルシュカにも同じ施術をするという話なのでは…と想像しました[2]その目標とするところが「遺物」であるレグなのかな、と…。プルシュカ、夜明けを見たがっていましたものね…もしかしたら純粋な親心なのかもしれません。今の段階では、かなり度難いですが。

そんな感じでボンドルドも相当アレな感じですが、きっと残りの白笛と呼ばれる人たちも似たような、もしくはボンドルド以上にアレな人たちなのでしょう。「人間として地上に戻ることが出来ない」とわかっていてもアビスの底に降りていくのですから、一般人の感覚とはズレていて当然だとは思いますが。そう考えると白笛の中でも「殲滅卿」とあだ名されてしまうリコの母親であるライザ、という人物を見るのも恐ろしくなります。一筋縄ではいかないこと間違いなしだとは思いますが…どうなるのでしょうかね。幸せな母娘対面になるのか、はたまた…。

そう言えば、メイドインアビスではお食事シーンがそこそこの頻度で登場しますが、食材のせいかほとんどが美味しそうに見えません。上にも書いた「あのすばらしい光景」のシーンのようにナナチやリコ、レグが食べている表情は物凄く美味しそうなのですが、さすがに「ハマシラマ」の刺し身など、あのビジュアルの生物を生で食べるのは無理そうです。だからこそ、資料をもとに可食非可食をより分けて的確に調理していくリコの知識と探究心はアビスの底を目指すに相応しいものだなあ、と思いました。そして、そのリコに料理を習おうとするナナチの健気さったら…。それにしても、リコが「行動食4号」を食べた時の感想である「??……壁の味がする…」にはリコのらしさが詰まっているなと思いましたね。

さてさて、メイドインアビスも4巻で「ヒトがヒトのまま戻れる」最終地点にまで辿り着いてしまいました。正直、もう着いてしまったの!?と思わざるを得ません。もちろん物語の先はまだありそうですけれども、出来ればアビスの深度の浅いところで3人が楽しく探検してくれればいいのに、とか少し思ってしまいます。ナナチにずっと「ちくしょう、ちくしょう…」と呟き続けて欲しくなります。どう足掻いてもボンドルドの言う「祝福」が「負荷」なしに誰でも得られるようにはなりそうにはありませんけれども、アビスの底へ、というリコとレグの希望が叶うことだけを期待して、この冒険を見続けようと思います。漫画を読む際に精神的な負荷をある程度は許容できる方になら、ぜひぜひオススメしたい漫画です。

References

References
1 「血は薄い」けど娘、という表現も気になるところです
2 その目標とするところが「遺物」であるレグなのかな、と…

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