蔵六たちに平穏な日常が戻ってきた。友達になった羽鳥&歩と一緒に小学校へ通い始める紗名。一方で…世界は変容を続けており、“アリスの夢”の存在は各国政府によって公表され人々に知れ渡っていく。そして…紗名にとって、人類にとって【最大の敵】となる“赤の王”が…この世界の何処かに誕生した――…。待望の【第3部】開幕。第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門“新人賞”受賞作品!! 【特典ペーパー付き】
Amazon内容紹介より
何回読んでも六蔵と読んでしまう「アリスと蔵六」の6巻です。先日、話題になった徳間書店がAmazonのKindle Unlimitedからのリュウコミックス配信見直しに恐らく含まれると思われるので、Kindle Unlimitedの会員の方は8月中[1]2016年8月中に読んでおくと良いかもしれません。自分は会員ではないので、関係なく積んであった漫画を読んだだけなのですが…。40℃の発熱時に読んだ本4冊目です。個人的にはKindle Unlimitedのようなサービスで読むよりは形はともあれ、所蔵して読むのに相応しい漫画だと思いますよ。
さて「アリスと蔵六」ですが、わりと気になっているのは時々はさまれるナレーション文[2]「これは~の話」として挿入される文章です。6巻は第3部ということになっていますが、この巻では美浦歩ちゃんが語っています。1巻など物語の最初は紗名ちゃん自身が語っていて、その次は早苗ちゃん[3]蔵六の孫が語っていたので、1部、2部、3部と変わるごとにナレーション文の話者も変わっているようです[4]恐らく。見逃していたらごめんなさい。。この辺りは少しずつ紗名ちゃんの世界が拡がっていることを感じさせられて、嬉しくなりますね。この漫画の一番の魅力は「成長」だと思いますので。
そんな成長を続ける紗名ちゃんも大ピンチに陥ってしまった6巻ですが、ナレーション文でも「さなちゃんは本当に大丈夫だったのですが」と書かれているので、彼女は大丈夫なのでしょうけれども[5]そもそも、1巻の段階で未来の紗名ちゃんらしき人物も登場しますしね、赤の王様と戦闘状態に突入してしまった一条さんとウサギさんが心配です。ウサギさんは紗名ちゃんとは別口にワンダーランドと共に存在するようなので、存在しなくなることはないと思いますが、一条さんは…。頭脳明晰でカッコ良い女性なので、ぜひ生き残って欲しいですね。7巻での一条さんの活躍にも期待です。
更に6巻になって、自分の存在に対して新しい種類の悩み[6]以前は自分が普通の人間じゃない、という悩みだったのが、6巻では蔵六の本当の子どもじゃない、というのが大きな悩みになっていますねを抱えた紗名ちゃんがすごしていた、新しくできた友達と一緒に学校へ行ったり、スマホで連絡をとり合ったり、というかけがえのない平穏な日常を取り戻すために、今後どんな成長とそれに伴う痛みがあるのか、というところは今から気になって仕方がありません。成長に痛みが付きものだとは思いたくはありませんけれどもね。ただ、痛みを受け入れなければいけないならば、せめてそれを糧にして成長したいですし、きっとそんな成長を紗名ちゃんが見せてくれるのだろうな、という予感はあります。
それにしても、蔵六さんには本当に憧れます。設定とすれば年齢は60歳くらいなのでしょうか。そのくらいの年齢になれば物事に動じなくなるのは鈍くなるから、と言えなくもない気がしますが、子どもの対して間違って叱ってしまった後にしっかりと頭を下げることができる、と言うところは自分にもできるだろうか、と考えてしまいます。漫画内での間違って叱った状況的には、紛らわしいことをする紗名ちゃんが悪い、と開き直って叱るパターンもあり得ますし、自分が子どもの頃にそういった叱られ方を大人からされた記憶もありますからね。「曲がったことが大嫌いなんだ」と言っているだけなら、偏屈ジジイにもできそうですが、自分の間違えを認めて謝罪できる、というのはレベルが一段あがる気がします。目指したいところです。
そんな訳で「アリスと蔵六」オススメです。再び書きますが、Kindle Unlimited会員の方はぜひ8月中に読みましょう。そして、できたら買いましょう。
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