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【漫画感想】「ゴールデンカムイ」 9巻

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ゴールデンカムイ 9巻
ゴールデンカムイ 9巻 / 野田 サトル

不死身の杉元。新撰組、鬼の副長・土方。ついに出遭ってしまった…二人。手を組むのか? 殺し合うのか? 『金塊』を巡る闘争は新たな局面へ…!!? そして、ついに…ついに表紙を飾った脱獄王・白石の過去の「恋」と「脱獄」の駆け引き、脱獄浪漫編も収録。枠にも檻にも収まらぬ! 面白さ常識外れな第9巻!!!!!!!!

Amazon内容紹介より

暴走特急のごとき勢いで突っ走っている「ゴールデンカムイ」の9巻です。2016年に入ってから4巻目となる訳ですが、9巻になって、みんな大好きな白石さんがようやく表紙になりました。白石さんの表紙は、7巻表紙のキロランケさん、8巻表紙の尾形さんと比べると、明らかにお笑い担当な雰囲気が満載の表紙だったのも味わい深ったですね。内容も相変わらずの暴走っぷりだったと思います。

さて「ゴールデンカムイ」9巻ですが、思った以上にメインストーリーにおける現状の目的地である網走監獄が遠そうだな、といった印象です。もっとサクッと網走監獄に着くのかな、と思ったのですが、寄り道をしてみたり、パーティーを変えてみたり、そのお話各話自体はとても面白いと思いますが、若干モヤモヤした気分になるのも確かでした。特に今回表紙の白石さんの過去話に関しては、キャラクターの面白さとその好感度で補われていた気はしますけれども、内容はかなりどうでも良い話だった気もします。まあ、そのどうでも良いお話が面白いからこそのゴールデンカムイ、と言ってしまえば確かにそうなのかもしれませんけれども…。モザイクにまみれた「ショーシャンクの空に」は、お約束感はありましたが、やはり笑ってしまいました。

それにしても、その「ショーシャンクの空に」も含め、9巻にはいくつかのパロディ的な要素があったと思うのですが、その1つの現状の敵味方が入り乱れた「最後の晩餐」をもとにした食事のシーンが気になりました。ユダの位置がキロランケさんなのですよね…。キロランケさんのまさかの未来がここに…。まあ、そうするとアシリパさんが最終的には…ということにもなってしまいますので、あまり深く考える必要もないのかもしれませんね。あまり関連付けて考えてしまうと、剥製にされてしまった人たち[1]江渡貝さん作にも意味を与えないといけませんから。

とは言え、その最後の晩餐シーンの席順とお話の中でのアシリパさんの懐き具合を考えると牛山さんはかなり重要な役どころだったのかもしれません。それにしても大ヤコブのポジションだったとは、想像以上ですけれども。そして、そんなポジションにいるはずの牛山さんに対してアシリパさんがチンポ先生と連呼しているのは、なかなかアレです。

そんな予想以上に仲が良くなったように見える牛山さんとアシリパさんに比べて、杉元さんのあまりの強さというか、目的のために手段を躊躇しない姿勢に若干の不安を感じているアシリパさんを見ると、10巻以降には2人の関係にもひと波乱あるのかもしれませんね。できることなら、アシリパさんと杉元さんには幸せになって欲しいなと思うのですが、どうなるのでしょうか。

ちなみに個人的には、谷垣さんが好きなキャラクターだということもありますが、9巻では谷垣さんとチカパシ君とインカラマツさんによる3人のコントが好きでした。ゴールデンカムイにおいて、ほぼ唯一と言っても良いであろう美人枠に入っているインカラマツさんのオッパイがチカパシ君に狙われまくっていましたね。チカパシ君、まだ幼そうですけれども、さすがはゴールデンカムイの登場人物と言えるかもしれません。まあ、そもそも名前がチカパシですから、仕方のないことなのかもしれません[2]チカパシとはアイヌ語で「陰茎を立てる」の意

そんな訳で「ゴールデンカムイ」9巻も相変わらずの暴走っぷりで面白かったです。ただ、個人的には少し制御に怪しい感じが見え隠れしていた気もします。アシリパさんと杉元さんの関係に波乱が起きるとしたら、ゴールデンカムイにおける、かなり重要な位置を占めるお話になると思いますので、その辺りのお話がある時には暴走しっぱなしではなくて、少し落ち着いた展開をして欲しいと思わなくもないですね。ともあれ、10巻もまた楽しみです。

References

References
1 江渡貝さん作
2 チカパシとはアイヌ語で「陰茎を立てる」の意

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