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【漫画感想】「木曜日のフルット」 6巻

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【漫画感想】「木曜日のフルット」 6巻
木曜日のフルット 6巻 / 石黒 正数

ニンゲンみたいなネコとネコみたいなニンゲンのダメかわいいギャグ漫画! 新たな仲間も加わって、ますますほっこり笑えます。

Amazon 内容紹介より

先日、ついに完結してしまった「それでも町は廻っている」の石黒正数氏による「木曜日のフルット」です。ちなみに毎回しっかりと欄外に挿入されている「この作品はフィクションであり~」の文章が好きです。正確に言えば、好きというよりは毎回毎回ちゃんと捻り出していて、ただただ凄いな、と思ってしまいます。どのくらいの時間をつかって考えているのでしょうね、あれ。

さて「木曜日のフルット」の6巻ですが、書き始めておいてなんですけれども、「木曜日のフルット」は感想を書きにくい典型例のような漫画だと思っています。面白さがわかりにくい、というような漫画でもありませんし、画がとっつきにくい、というような漫画でもありませんからね。また語られているお話は単純かと言われれば、そんなこともなく、結構時事ネタっぽい回もありますし。登場人物たちは基本的にはみんな善人[1]動物も含むではあるけれども、そこそこクズいところも持っていて、可愛げも持ち合わせてもいたり。さらに一話完結ですし、文字が多い訳でもない…もうこれは、面白いからとにかく読んでみてください、というしかないような誰でもが楽しめる漫画だと思います[2]もちろん読んだ結果として合う合わないが多少あるのは仕方がないとは思いますが…

ちなみに毎回抜き出してしまいたくなるコマが豊富なことでもお馴染みの木曜日のフルットではありますが、6巻で1コマ単独で抜き出してしまいたくなったのは下のコマでした。
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このセリフを鯨井先輩に言わせてしまうところが何とも言えません。そしてこの表情…鯨井先輩はまだとうぶんの間は無職で頑張ってくれそうだな、と確信しました。ちなみに1巻から6巻までで一番好きだった1コマはフルット君の「オメオメ」です[3]2巻フルットの巻26参照。こんなオノマトペ化アリか!と衝撃を受けた気がしますね。そして何よりも可愛いかったです。

ところで木曜日のフルットに登場するキャラクターでNo.1の男前と言えば、間違いなくデン様だと個人的には思っていますが、6巻でも男前でした。ジャイアンの男前成分を抽出して自分から意地悪や乱暴をするなどは決してしなくなった感じ、とでも言えば良いでしょうか。ボスかくあるべし、みたいなものを体現しているキャラクターだと思います。頭の回転においてはフルット君の足元にも及ばなそうですけれども、まあそれはフルット君の賢さを際立たせているので、問題ないですしね。基本的には無口なのも好みです。

それにしても頼子さん、5巻では確か霊能者の宍緒さんにかなり負の感情を持っていたと思うのですが、短い間に随分と評価が変わってしまいましたね。その180度評価を変えた間にどんなドラマがあったのか、とても気になります。頼子さんの「そんなふうに考えていた時期が 私にもありました」のコマの顔が何かを悟っているようで絶妙にイラッとする顔でした。オチに関しては鯨井先輩にはもっと強力な何かが憑いているでしょう、と言いたくなりましたけれども…。それにしてもフルットの世界にはわりと霊的な存在がたくさんいますね。しかも由来が結構キツめの。宍緒さんはそこそこの頻度で登場しそうなキャラクターなので、霊たちもまだまだ登場しそうな予感がします。

そんな訳で「木曜日のフルット」6巻は相変わらずのユルくて可愛いけど、しっかり毒も吐いてくれてという安定した漫画でした。それ町が終わってしまって寂しい想いを抱えている方は廻覧板とフルットで満たすしかありませんよ。藤子不二雄作品が好きな方にもオススメです。

References

References
1 動物も含む
2 もちろん読んだ結果として合う合わないが多少あるのは仕方がないとは思いますが…
3 2巻フルットの巻26参照

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