阿佐実(あさみ)みよし、高校に入学したばかりです。新入生歓迎イベントで、すっごいアニメを観てしまいました。なんかこう、子どもの頃みたくワクワクしちゃうような。なんでもそれは、この高校の先輩達が作ったそうなんですよ! ……えっ? アニメって自分達で作れちゃうんですか? だったら、みんなで作ったらきっとすっごく楽しいですよ! こうしている場合ではないですよ私達!!
Amazon内容紹介より
「映像研には手を出すな!」を読んでいて「これはハックス!を読み直さなければ…」という気持ちになったので読み直しました。「アリスと蔵六」もそろそろアニメが始まるようなので、ちょうど良い機会だったかもしれませんね。改めて読むと、埋もれてしまうのがもったいない漫画だなあ、と思いました。全4巻で読みやすい長さですので、「アリスと蔵六」のアニメ経由という方や「映像研には手を出すな!」と似た世界に浸りたいような方には読んで欲しいですね。
さて「ハックス!」です。自分は残念なことに登場人物の三山先輩のような、頑張ることで自分の出来ないことを直視するのが恐くて何もできない、というタイプの人間でしたので、主人公のみよしちゃんたちのような何はともあれ行動できるような人たちには本当に憧れしかありません。ですので、三山先輩がみよしちゃんたちの頑張りを見てイラつくのは結構理解できてしまいます。さすがに自分は三山先輩のようにあからさまに頑張っている人たちの気力を削ぐような言動はしていなかったと思いますけれども…。大人と呼ばれる年齢になって、ある程度経ってから、やっと少しだけ改善できた大いなる短所であったな、と考えることができるようになりました。4巻にある部長・後藤先輩のこの前後のコマは何かに夢中になれないな、と行動できていない方たちにはぜひぜひ読んで欲しいですね。自分も今後事あるごとに思い返したい言葉です。
ハックス!では三山先輩の他に、映像研の部長という登場人物の面々に積極的な悪意を向けてくる人物がいますけれども、個人的には現実世界で危険なのはこういったタイプよりも友だち的な距離感で頑張る人を惑わせる人間かな、と思いますね。悪意を向けられた場合は遠ざかるかそれなりの対応をすれば良いですけれども、元々友だちのようなポジションにいた人たちが足かせになることは頑張っている人には結構多そうな印象があります。どんな分野でもそうだと思いますけれども、頑張るべき時にはレベルの低いところで群れていると終わってしまうんだよな、と改めて思いました。
また何かを作っている時には、このコマのことを強く意識するのが正しいよなあ、とかも思いましたね。作る時には迷いを捨て去って、ただただ作りあげろ、と。
自分はどちらかと言うと、何か手を動かしている時も色々と考えすぎてしまう人間なので、そのたびに作業が止まっていまって…みたいなことが多いですし、最初から120%の出来栄えを目指して自滅する、みたいなパターンも少なくなく、作り上げることというのはかなり不得意です。最近になってようやく、6,70%を目指して作り上げてから、少しずつ完成度をあげていく、という作業ができるようになりましたが、もう少し早く出来るようになっていればなあ、と思ってしまいますね。
ところで「ハックス!」はキャラクターを見てみると特に女性キャラクターに関しては判別しにくい印象が以前からありました。パーツなどで差をつけられてはいるのですけれども、元々の顔の造形が似ているのでパッと見で判断しにくいことが多かったのですよね。再読してもその印象は変わりませんでした。脇役も含めたキャラクターたちの「息づいている」雰囲気がとても上手く描かれていて、そこが魅力の漫画でもあると思うので、顔のバリエーションがもう少しあれば、読みやすさも増したのではないかなあ、とか思ったり。そういった意味では「アリスと蔵六」はキャラクターの顔のバリエーションは若干似ているものの、確実に増えているので読みやすさが増しているのかもしれないな、と思いました。
そんな訳で「ハックス!」は改めて評価されて欲しい漫画でした。「映像研には手を出すな!」はまだ1巻の段階ではありますけれども、似たテーマ・舞台を扱っていても、これだけ印象の違った漫画が読めるという喜び、みたいなものも再読して感じましたね。「ハックス!」は「アリスと蔵六」のアニメ化と「映像研には手を出すな!」の1巻を読んでの流れで、ぜひ多くの方に読まれて欲しいなあ、と思います。
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