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【漫画感想】「おりたたぶ」 全4巻

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【漫画感想】「おりたたぶ」 1巻
おりたたぶ / こんちき

春。自転車が大好きな女の子・鳴嶋ゆうみは、同じく自転車好きの少女・滝沢奈緒と出会い仲良しに。折り畳み自転車を通して彼女たちは交友を深め、かけがえのない絆を育んでいき…。そして今日も彼女たちは、折り畳み自転車に乗って新しい世界に踏み出し、素敵な出会いに心躍らせるのです! ゆるかわ折り畳み自転車マンガの始まりです!!

Amazon 内容紹介より

最後の漫画感想文の更新から3年半が経ってしまっていました。その間に刊行された漫画は数知れず…再開するにあたって、どの漫画の感想文から書いたら良いのか少し考えましたが、最後に更新した『フルチャージ!! 家電ちゃん』の作者『こんちき』氏作の『おりたたぶ』から再スタートすることにしました。とはいえ、2021年8月時点で完結巻である4巻が出てしまっている、という今更感…。実際にこの感想文を書き終わるまでに2, 3, 4巻と発売されていった日々を思い返します[1]各巻が発売されるたびに感想文を書こう、と書き始めるものの書き終わることなく、ということの繰り返しでした

そんな自分が『おりたたぶ』を読もうと思った理由は間違いなく『こんちき』氏の前作『フルチャージ!! 家電ちゃん』が好きな漫画であったからなのですが、本作『おりたたぶ』の1巻時点での感触としては『フルチャージ!! 家電ちゃん』よりも丁寧に物語を描いてくれそうだな、というものでした。もちろん、その分のテンションみたいな部分を比較してしまうと劣るのですが、そのノンビリとした空気感がテーマと合致していてとても心地良く感じられましたね。『フルチャージ!! 家電ちゃん』の最終5巻の感想文に「1人1人のキャラクターをもっと丁寧に描いて欲しかった」というような内容のことを書いていますが、今作ではその部分はより自分の好みに近いものになってくれそうな予感がしていました。実際、『おりたたぶ』最終巻までの感触としては『フルチャージ!! 家電ちゃん』より丁寧なキャラクター描写が多かったように思います。『おりたたぶ』のメンバーは4巻で4人。少なからず多からず、といったちょうど良い人数でしょう。ただ1巻から登場するメインキャラクターの2人と比べると後から登場する2人はもったいない使われ方をしているように感じてしまったことは事実ですね。6巻くらいまで続いていたら、4人で一番ちょうど良いバランスがあったように思わなくもないです。

それにしても読んでいると折り畳み自転車が欲しくなります。残念ながら今の経済状況では夢の夢のまた夢なのですけれども、いつの日か自分も手に入れたいです。学生の頃から電車で少し遠くの駅まで行って折り畳み自転車に乗る、というスタイルに憧れを抱いてはいたのですが、現住所のような田舎では電車を使うよりは自動車の方が現実的なのかな、と思います。正直、電車で折り畳み自転車を携行するよりは魅力が落ちてしまう気がするのですが、それが田舎の悲しいところでしょうか。そもそも田舎道なので折り畳み自転車に乗っていても楽しくない可能性すらあります。もっとタイヤ径の大きな自転車でグイグイ走った方が気持ち良いのかもしれません。自転車専用レーンなどというものは、もちろんありませんしね[2]何なら歩道がない部分も少なくありません。ちなみに『おりたたぶ』では折り畳み自転車の基本的な知識はしっかりと伝えてくれますが、それが薀蓄の羅列になっていないところも好感が持てました。趣味の世界としてもっと深いところを求めている方が少なからずいるのは理解出来ますけれども、一般的な漫画としてはこれで間違いないのではないでしょうかね。初心者で素直な女の子が「沼」が存在する世界に突っ込んでいく、というスタイルは読みやすいと思います。しかし『おりたたぶ』全4巻を通して、「折りたたみ自転車」に焦点が当たっていたのかというと、若干微妙です。そういう意味ではタイトルが『おりたたぶ』=「折りたたみ自転車部」であるのは正解だったのではないでしょうか。

ところで『フルチャージ!! 家電ちゃん』に引き続き『こんちき』氏が魅力的なキャラクターを生み出してくれて本当に嬉しくなりました。今作での主要キャラクターたちは[3]『フルチャージ!! 家電ちゃん』にも似たような造形のキャラクターが登場していたように思いますが、かなり自分の好みのキャラクターでしたので、これまた嬉しいですね。特にメインキャラクターの2人はそれぞれのキャラクター的な魅力も会話などの掛け合いもステキでした。何なら、この2人だけでずっとやってくれて良いなあ、とすら1巻読了時には思ってしまいましたね[4]2巻以降、キャラクターの追加があるのはお約束ですし。特に前半ではキャラクター同士の会話のシーンだけでなく、それぞれが一人の時間を過ごしているシーンを描くことで、キャラクター個々の魅力を際立たせることになり、結果としてキャラクターの掛け合いがより魅力的になる、というような印象がありました。

そんな訳で『おりたたぶ』は可愛く魅力のあるキャラクターたちが楽しそうにしているのを楽しく眺める漫画でした。折り畳み自転車を持っていない自分でも十二分に楽しめたので、きっと折り畳み自転車が好きで所有している方たちにとってはより楽しめる部分が多いのではないでしょうか。アウトドアや散歩が好きな方にもオススメ出来る漫画だったと思います。

References

References
1 各巻が発売されるたびに感想文を書こう、と書き始めるものの書き終わることなく、ということの繰り返しでした
2 何なら歩道がない部分も少なくありません
3 『フルチャージ!! 家電ちゃん』にも似たような造形のキャラクターが登場していたように思いますが
4 2巻以降、キャラクターの追加があるのはお約束ですし

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