かわいい魔女の転校生・古森チカゲに出会った瞬間にいきなり体の関係を迫られた
Amazon内容紹介より
柊木は純粋な男女のおつきあいをすることに。学校の仲間も増えてきて感情表現が
乏しかったチカゲは徐々にいろんな気持ちを知っていく中、遂にクリスマスを迎える…
2人の心と体の距離はさらに近づく!?ドキドキ性春ラブコメ!
『おぼこい魔女はまじわりたい!』4巻の初版は2023年3月。帯には『同居人がこの世のモンじゃない』をWebBULLにて好評連載中の文字が。『おぼこい魔女はまじわりたい!』の連載や作者である『仲邑エンジツ』氏の情報を真面目に追っていなかったのでまったく知らなかったです…。そもそも掲載誌の『Web BULL』という媒体も知りませんでしたね。今は漫画の連載チャンネルがかなり多くて、完全にフォローしようとしていたらなかなか大変です。自分はボンヤリとした感じなので気になりませんけれども。この『同居人がこの世のモンじゃない』もそのうち単行本化してくれるのでしょうか。相変わらず、色々と既視感のある絵なので読んでみたくなりました。
さて激しめのタイトル『おぼこい魔女はまじわりたい!』の4巻です。表紙のヒロインである魔女見習いの『古森』さんは巻を重ねるごとに表情にこなれてきた感が出てきましたね。ホウキにまたがり月を背景にしていて、もちろん魔女らしさが皆無という訳ではありませんけれども、かなり「普通の女の子」の枠内に入ってきた印象があります。オーバーオールの下には何も着ていなさそうなところに、まだまだ「普通の女の子」と隔絶した差が出てしまってはいますけれども。ちなみに個人的にはオーバーオールの下には何も着ていないという状況、落ち着かないこと間違いないだろうな、と思ってしまいます。割りと好きなシチュエーションだ、という方も多いとか聞き及んでおりますけれども、自分はあまり好きではありません。とりあえず寒そうで仕方がありませんね。
ちなみに4巻になり『古森』さんや『柊木』君だけではなく、クラスメイトたちそれぞれがいわゆる青春をしているだけのお話が多くなってきました。お話の中でも季節は巡っていて、出会いと別れが描かれています。その中で着実に仲を深めていく各人たち…。あまりにも普通の青春が繰り広げられていて、魔女はどこへいった!?とか思ってしまいます。もちろん『古森』さんはまだまだおかしな言動をしていたり、魔女らしいアイテムや不思議な現象、また3巻から登場した魔女成分強めの『ウルチカ』さんが存在していたりするので、少しずつおかしな空気は漂っているのですが、それもかなり地味。正直、タイトル釣りを言及されてしまっても仕方のないレベルになってしまっているかと思います。自分はこのくらいの普通さが好きですけど。物足りない方がいてしまっても仕方がないかもしれません。ただ一人、クラスメイトの単なる一般人である『丘村』君だけは、必要以上の気持ちの悪さと、それに見合った[1]もしくはそれ以上の報いをお話の中で受けて続けています。同じクラスメイトの『安堂』君とは雲泥の差です。作者の方は何かこのキャラクターに恨みでもあるのか、とか思ってしまいましたね。
ところで4巻ラストの『古森』さんによる「大丈夫だから!」というセリフ、3巻での『柊木』君のお母さんによる「だ 大丈夫よね」とは違って、それって絶対に大丈夫じゃなくなるやつじゃあ…とか思ってしまいますが、5巻も『古森』さんや『柊木』君だけではなく登場人物各人が楽しく穏やかな青春をおくってくれるのを眺めていたいなあ、とか思ってしまうようになりました。読者として飼い慣らされてしまった感。そして更に思うのは、できるだけ『柊木』君のお母さんには不要な心配はさせないであげて欲しいということ。読んでいて自分の心境を重ねる先がソコになってしまっているので…。こればかりは自分の年齢的にも仕方がありませんよね。4巻では『柊木』君と『古森』さんが一つのベッドに寝ているところ[2]本当にただ寝ているだけを見てしまった『柊木』君のお母さん、心安らかに…。
そんな訳で強烈なタイトルからは想像できない程に相変わらずしっかりと地味なラブコメをしてくれている『おぼこい魔女はまじわりたい! 』は4巻も引き続き面白かったです。ただ地味さが増してきた、もしくはその地味な空気が蓄積してきた印象はありますので5巻では少しでも転調が欲しいところです。お話としての面白さが欲しい反面、登場人物たちにはアクシデントなく、普通の楽しい青春をおくってもらいたいと思ってしまうこの感覚…もう完全に『柊木』君のお母さんと同じ目線と言えるかもしれません。5巻も楽しみです。
コメント