ロボット競技大会での優勝を果たした西村真琴は、最終目標のエベレストに向け、新たな「ロビンソン」を模索し始める。一方、かつての盟友・椎野賢一が率いる三帝ロボティクスは、驚異的な技術力で、ロボットの新機軸を確立しようとしていた――。群雄割拠のロボット業界、技術競争が激化する!!
Amazon内容紹介より
リアル系ロボットエンジニア漫画のアイアンバディ3巻です。3巻の表紙は今のところ完全に脇役ですけれども、意外と今後のキーマンになるのかな、と思わされる三戸さんでした。左藤氏本人が書いていますが、順番としては椎野さんは表紙を取られた感があって可哀想ですね。常識人で物腰も比較的穏やかですし、仕事の面でも優秀そうですから、三戸さんは人気があるキャラクターなのかな、とか想像しました。
さて「アイアンバディ」3巻です。内容より何よりも次巻予告で「物語はクライマックスへ。」と書かれていたのがとても気になりました。クライマックス、と書かれるくらいなので次巻4巻か、少なくとも5巻で完結なのでしょうねえ。題材的には5巻くらいがちょうど良い長さなのかもしれませんが…。であれば、コンテスト的なことは最後の最後にとっておいて、開発チームの構築とかハード・ソフトの技術向上の方法とか主人公の西村君の圧倒的な挫折[1]信念すら曲がりそうになるようなとかをもっと細かく描いて欲しかったなあ、とか思いました。
さすがに西村君が圧倒的な挫折をしたままで物語が終わってしまったら大変なので、復活をすることを考えると、残り2巻ではそれほど大きな挫折感を味わうことはないのかもしれないな、と。なぜ自分はこんなに西村君に挫折感を味わって欲しいのか、と思ってしまうのですが、やはり西村君のような人が人間的に苦手なのでしょうね。嫌い、という訳ではなくて苦手。どんなに凄い物を作っていたとしても、どんなに意義深い物を作っていたとしても、自分はこの仕事の仕方をする人は苦手だし、一緒に働くことは絶対にしたくないな、と心の底から思います。
3巻時点での西村君のまま突っ走って「ロビンソン」が彼の納得できる性能を発揮した末に、突然彼が物分りの良い反省をし始めたら苦手どころか大嫌いになるだろうな、とか思いました。自分とは理解し合えないような平行線で苦手なまま存在するか、しっかりと方向修正をしてから成功して欲しいものです。3巻で明かされた、幼少期での経験は彼にとってとても大きな出来事ではあったと思うし、その結果としてこの西村君が存在する、というのは理解できなくもない話ではあるのですけれどもね…。
ところで帯にも書いてあるようにPepperやロボホンが漫画の中にも登場するのですが、ロボホンは可愛いなあ、と思って見れますけれども、Pepperは画になっても本当に気持ちが悪いな、と思ってしまいます。苦手なんですよね、あのビジュアル…。Pepperを見ていると何だかとても不安な気持ちに陥ります。自分が件の会社自体を好きではない、という理由も手伝ってのことだとは思うのですけれども、ロボット全般としては、だいたい何でも好きでビジュアル的に気持ち悪いと思う物なんて、ロボット以外でもそんなに多くは存在しないのですけれどもね。どこに理由があるのか、未だに自分でも理解できていません。
そんな訳で「アイアンバディ」3巻は、衝撃的な次巻予告に驚いた巻になりました。内容すらも少し吹き飛んでしまったことが残念です。3巻での宇治さんの活躍はとても嬉しかったので、4巻でも引き続き期待したいですね。西村君を少しでもコントロールできそうなのは宇治さんくらいしか見当たらないですし…。クライマックス、心して待ちたいと思います。
References
↑1 | 信念すら曲がりそうになるような |
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